立位姿勢で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
支持基底面とは、物体が地面と接している部分(足底)と、その間に囲まれる平面領域全体を指します。この領域が広いほど安定性が高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. 乳幼児の重心は、成人と比べて相対的に頭部に近く、上位に位置します。一般的には胸椎レベルとされます。正しくは:乳幼児の重心は、成人と比べて上位にあり、胸椎の高さに位置しています。選びやすい理由:成長段階によって重心の位置が異なるという知識は合っていますが、具体的な位置が間違っているため選びやすいかもしれません。混同注意:乳幼児と成人の重心位置の違い、およびその具体的な高さ(仙骨前方 vs 胸椎レベル)
- 2. 安静立位時の重心線は、耳垂、肩峰、股関節前方、膝関節前方、外果前方を通過します。上前腸骨棘は通過しません。正しくは:安静に立っているとき、重心線は股関節の前方、膝関節の前方を通過します。選びやすい理由:骨指標の近くを通るという点で、正しいように感じやすいかもしれません。混同注意:安静立位時の正しい重心線の通過点(耳垂、肩峰、股関節前方、膝関節前方、外果前方)
- 3. 正解。支持基底面とは、物体が地面と接している部分(この場合は足底)と、その接地面に囲まれた空間全てを合わせた領域を指します。この領域が広いほど、物体は安定します。選びやすい理由:正確な定義を知っていれば選びやすいですが、『足底とその間』という表現の曖昧さから迷う人もいるかもしれません。混同注意:支持基底面の定義(足の接地面のみと考える間違い)
- 4. ロンベルグ肢位は、足を閉じて立つ(閉脚立位)ため、支持基底面が狭くなり、開脚立位よりも安定性は低くなります。ロンベルグ徴候の評価にも用いられるように、バランス能力を厳しく評価するための不安定な姿勢です。正しくは:ロンベルグ(Romberg)肢位は、閉脚立位であるため、開脚立位よりも安定性が低いです。選びやすい理由:ロンベルグテストで安定性を評価することから、安定性が高い姿勢と勘違いする可能性があります。混同注意:ロンベルグ肢位の安定性と、ロンベルグ徴候の評価目的
- 5. 安静立位時でも、身体は常に微細な動揺(生理的動揺)をしており、重心もわずかに前後に移動します。これは、重心を支持基底面内に保ちながらバランスを維持するための自然な生理現象です。正しくは:安静立位の状態でも、身体の重心はわずかに前後に動揺します。選びやすい理由:「安静」という言葉から、完全に静止していると誤解しやすいですが、生体は常に微細な動揺をしています。混同注意:静的安定と動的安定、生理的動揺
国試ポイント
立位姿勢に関する基本的な解剖学的・運動学的知識(重心、重心線、支持基底面、安定性)が問われています。特に、定義の正確な理解と、それらが身体の安定性にどのように影響するかを理解しているかが重要です。
混同注意
各選択肢が、関連するが異なる概念や、誤った詳細(重心位置の具体的な数値、重心線の通過点)を含んでいるため、正確な知識がないと混同しやすいです。特に、『全く動かない』といった極端な表現は誤りであることが多い点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、重心、重心線、支持基底面、安定性の定義と関係性を正確に理解しているか、またそれらが臨床的な評価(例:ロンベルグテスト)とどう結びつくかを確認する問題が出る可能性があります。
関連知識
安定性(重心の高さと支持基底面の広さ)、重心動揺、パスラボグラム、ロンベルグ徴候、各発達段階における重心位置の変化。