高次脳機能障害と検査の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
TMT (Trail Making Test) は、視覚探索、注意の転換、情報処理速度、遂行機能など、注意機能の様々な側面を評価する代表的な検査です。Part Aは単純な視覚探索と精神運動速度、Part Bはより複雑な注意の転換能力を評価します。したがって、注意障害の評価法として適切な組み合わせです。
選択肢ごとの解説
- 1. 「かな拾いテスト」は通常、注意機能(特に選択的注意や持続的注意)の評価に用いられる検査であり、失語症の直接的な評価には適していません。正しくは:失語症の評価には、標準失語症検査(SLTA)やWAB失語症検査などを用います。選びやすい理由:言語的な要素を含むため、失語症と関連があるように感じるかもしれませんが、主な目的が異なります。混同注意:注意障害の評価と混同しやすいです。
- 2. 正解。TMTは、Part A(数字の順序連結)とPart B(数字とひらがなを交互に連結)から構成され、注意の持続、選択的注意、注意の転換、視覚探索能力、遂行機能などを複合的に評価できるため、注意障害の評価に非常に有用です。正しくは:この組み合わせは正しいです。選びやすい理由:特になし。標準的な組み合わせです。混同注意:特になし。注意障害の代表的な検査です。
- 3. 「Kohs立方体組み合わせ検査」は、視空間認知能力や構成能力(ブロックデザイン課題)を評価するための検査であり、記憶障害の主要な評価指標ではありません。正しくは:記憶障害の評価には、WMS-R(ウェクスラー記憶検査改訂版)やリバーミード行動記憶検査などを用います。選びやすい理由:立体図形を記憶して再現するような印象から、記憶と関連があるように感じるかもしれませんが、主に視空間認知能力を評価します。混同注意:視空間認知や構成能力の検査と混同しやすいです。
- 4. 「BIT」は主に半側空間無視(視空間性注意障害)の評価に用いられる検査です。遂行機能(目標設定、計画立案、実行、自己修正など)の評価には適していません。正しくは:遂行機能障害の評価には、BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)やFAB(前頭葉機能検査)などを用います。選びやすい理由:高次脳機能障害全般を評価するイメージから誤って選択しがちですが、評価対象が異なります。混同注意:半側空間無視の評価と混同しやすいです。
- 5. 「BADS」は主に遂行機能障害を評価するための検査であり、半側空間無視の評価には直接用いられません。正しくは:半側空間無視の評価には、BIT(Behavioral Inattention Test)や線分抹消試験、Albertテストなどを用います。選びやすい理由:BADSもBITも高次脳機能障害の評価によく使われるため、名前が似ていることで混同しやすいです。混同注意:遂行機能障害の評価と混同しやすいです。
国試ポイント
高次脳機能障害の各症状(失語、注意障害、記憶障害、遂行機能障害、半側空間無視など)と、それらを評価するための主要な検査方法の知識が問われています。それぞれの検査が具体的にどのような機能を評価するのかを正確に理解しているかがポイントです。
混同注意
多くの高次脳機能検査は名称が似ていたり、複数の機能を一部評価したりするため、主な評価対象を混同しやすいです(例: BITとBADS、かな拾いテストと特定の失語検査)。それぞれの検査の正式名称、目的、評価項目をしっかり区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各選択肢の検査が評価する高次脳機能の主要な領域を即座に特定できるかを確認することが重要です。特に、名前が似ている検査や、複数の機能を複合的に評価する検査については、その主たる目的を明確に区別できるように学習しましょう。また、各検査の具体的な実施方法や評価指標についても理解を深めると良いでしょう。
関連知識
高次脳機能障害の種類(失語症、失行症、失認症、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、半側空間無視など)、それぞれの障害の定義と症状、および主要な評価バッテリー(標準失語症検査、WAB失語症検査、WMS-R、BIT、BADS、FAB、TMT、Raven色彩マトリックス検査、Rey複雑図形検査など)。