全身持久力トレーニング中の自覚的運動強度の指標で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
修正Borg指数(RPE)は、運動中に感じる疲労度やしんどさを数値で表現する主観的評価スケールであり、個人の体調や感覚を反映した運動強度を把握するのに最適です。これは、客観的な生理学的指標(心拍数、酸素摂取量など)だけでなく、患者自身の感覚を重視する際に非常に有効なツールとして、全身持久力トレーニングにおいて広く活用されています。
選択肢ごとの解説
- 1. Karvonen法は、最大心拍数と安静時心拍数を用いて目標心拍数を算出する方法であり、運動強度を客観的に設定する際に用いられます。自覚的運動強度を評価する指標ではありません。正しくは:Karvonen法は、心拍数から運動強度を算出する『客観的』指標である。選びやすい理由:運動強度設定に用いられるため、関連する知識として誤って選択しやすい。混同注意:客観的な運動強度指標(心拍数、VO2maxなど)と主観的な指標(Borgスケールなど)の区別が曖昧な場合に混同しやすい。
- 2. 正解。修正Borg指数(RPE: Rate of Perceived Exertion)は、運動中の身体的な感覚(息苦しさや疲労感など)を数値で表す主観的な運動強度指標であり、全身持久力トレーニング中の自覚的運動強度の評価に広く用いられています。
- 3. Hugh-Jones分類は、呼吸困難の程度を評価する指標で、主に慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患患者の重症度分類に用いられます。運動強度を評価するものではありません。正しくは:Hugh-Jones分類は、呼吸困難の程度を評価する分類である。選びやすい理由:呼吸器系疾患の評価指標であるため、運動時の呼吸に関連すると思い込みやすい。混同注意:運動中の呼吸状態の評価と、運動そのものの強度の評価の区別が曖昧な場合に混同しやすい。
- 4. %最大酸素摂取量(%VO2max)は、最大酸素摂取量を基準とした相対的な運動強度を示す客観的な指標です。自覚的運動強度ではなく、生理学的な運動負荷を評価する際に用いられます。正しくは:%最大酸素摂取量は、運動強度を評価する『客観的』指標である。選びやすい理由:運動強度を評価する指標としては正しいが、これは客観的指標であるため、問題文の『自覚的』という条件を見落とすと選択しやすい。混同注意:客観的な運動強度指標(心拍数、VO2maxなど)と主観的な指標(Borgスケールなど)の区別が曖昧な場合に混同しやすい。
- 5. mMRC息切れスケールは、日常生活における息切れの程度を評価する指標であり、主に慢性呼吸器疾患患者の機能障害評価に用いられます。運動中の自覚的運動強度をリアルタイムで評価する指標とは異なります。正しくは:mMRC息切れスケールは、日常生活における息切れの程度を評価するスケールである。選びやすい理由:息切れという主観的な要素を評価するため、自覚的運動強度と関連があるように見えやすい。混同注意:運動中の即時的な主観的評価(Borgスケール)と、日常生活における主観的な症状評価(mMRC)の区別が曖昧な場合に混同しやすい。
国試ポイント
全身持久力トレーニングにおける運動強度の評価指標について、特に『自覚的運動強度』を問う問題形式です。客観的指標と主観的指標の区別、およびそれぞれの具体的な方法とその用途を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
Karvonen法や%最大酸素摂取量のような客観的な運動強度指標と、修正Borg指数のような主観的な運動強度指標を混同しやすい。また、Hugh-Jones分類やmMRC息切れスケールのような呼吸器疾患の評価スケールと、運動強度評価スケールを混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、客観的指標と主観的指標の具体的な算出方法や評価方法、それぞれのメリット・デメリット、特定の疾患における適用可否について問われる可能性があります。また、小児や高齢者、特定の疾患(例:β遮断薬服用者など心拍応答が期待できない場合)に対する運動強度設定法についても注意が必要です。
関連知識
運動処方におけるFITT原則(頻度、強度、時間、種類)、心拍数を用いた運動強度設定(目標心拍数ゾーン)、運動負荷試験のプロトコル、各疾患(心疾患、呼吸器疾患など)における運動療法の注意点と評価項目。