脳卒中発症後2週間以内に生じにくい合併症はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
肩手症候群(複合性局所疼痛症候群Ⅰ型)は、脳卒中発症から数週〜数か月後に生じることが多い合併症で、発症後2週間以内には生じにくいです(公式正答3)。意識レベルの低下、消化管出血、摂食嚥下障害、深部静脈血栓症は、発症後早期の急性期に生じうる合併症です。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳卒中発症直後から数日以内は、脳浮腫や脳ヘルニア、再出血などにより意識レベルが低下するリスクが非常に高いです。正しくは:脳卒中発症後、特に重症例では早期に意識障害が生じやすい。選びやすい理由:脳卒中急性期の代表的な症状・合併症であり、発生頻度が高いと認識されているため、発生しにくいとは考えにくい。混同注意:意識障害の急性期管理の重要性と混同しやすい。
- 2. 脳卒中急性期には、ストレスによる胃潰瘍や十二指腸潰瘍などから消化管出血を起こすリスクが高まります。これは脳血管障害による自律神経系の影響や、ステロイド投与、抗凝固薬使用なども関連します。正しくは:脳卒中発症後、急性期ストレスや薬剤の影響で消化管出血は起こりやすい。選びやすい理由:緊急性の高い合併症であり、急性期管理で注意が必要なため、早期に発生しにくいとは考えにくい。混同注意:急性期脳卒中の一般的な合併症として認識されているため。
- 3. 正解。肩手症候群(複合性局所疼痛症候群Ⅰ型)は、脳卒中発症から数週〜数か月後に生じることが多く、発症後2週間以内には生じにくい合併症です。正しくは:肩手症候群は、脳卒中発症後、典型的には数週間から数ヶ月を経て発症する遅発性の合併症である。選びやすい理由:脳卒中の有名な合併症の一つであるため、時期の判断を誤る可能性がある。混同注意:疼痛や腫脹といった症状自体は急性期にもみられることがあるため、それが肩手症候群と直結するのかを混同しやすい。
- 4. 脳卒中により嚥下に関連する脳神経や脳幹の機能が障害されると、発症直後から摂食嚥下障害が生じ、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。これは急性期の主要な合併症の一つです。正しくは:脳卒中発症直後から、脳の損傷部位によっては摂食嚥下障害が頻繁に発生する。選びやすい理由:生活に直結する機能障害であるため、急性期のケアの重要性から早期発生を想起しやすい。混同注意:脳卒中の機能障害の代表例であり、リハビリテーション介入が早期から行われるため。
- 5. 脳卒中発症後は、麻痺による不動などにより下肢の深部静脈血栓症が生じやすく、発症後早期から起こりうる合併症です。肺塞栓症のリスクを伴います。正しくは:脳卒中発症後、不動や循環動態の変化により深部静脈血栓症は早期から発症しうる。選びやすい理由:予防策が急性期から実施されるため、発生頻度の高さから早期発生を想起しやすい。混同注意:急性期脳卒中のガイドラインで予防策が推奨されている合併症であるため。
国試ポイント
脳卒中の急性期に起こりやすい合併症と、比較的遅れて生じる合併症の時期の違いを理解しているかが問われています。
混同注意
脳卒中の合併症全般に関する知識と、各合併症の「発症時期」に関する知識が混同しやすい。特に有名な合併症であるほど、発生時期まで正確に覚えているかどうかが正答を分けるポイントになります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の脳卒中合併症(例:尿路感染症、褥瘡、骨折、異所性骨化、痙縮、うつ病など)についても、それぞれの典型的な発症時期を把握しているかを確認すると良いでしょう。また、特定の合併症の誘因や、関連する身体所見、検査所見についても問われる可能性があります。
関連知識
脳卒中発症後の合併症管理(急性期、回復期)、複合性局所疼痛症候群(CRPS)の病態と診断基準、各合併症の予防と治療、脳卒中ガイドライン。