筋収縮で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
筋収縮は、アクチンフィラメントがミオシンフィラメント上を滑走することで生じます。この際、ミオシンフィラメントのみが存在するH帯は、アクチンフィラメントの滑り込みにより短縮、あるいは消失します。
選択肢ごとの解説
- 1. 最大収縮時には筋細胞の長さは元の約30〜40%短縮するとされています。10%は短すぎます。正しくは:骨格筋の最大収縮時には筋細胞の長さが約30〜40%短くなる。選びやすい理由:「短くなる」という方向性は合っているため、数字に注意しないと選びやすいかもしれません。混同注意:具体的な短縮率の数値。
- 2. アクチンフィラメント(細いフィラメント)はミオシンフィラメント(太いフィラメント)よりも細いです。名称が逆になっています。正しくは:アクチンフィラメントはミオシンフィラメントより細い。選びやすい理由:「フィラメント」という用語からどちらが太いか混同しやすいかもしれません。混同注意:アクチンとミオシンのどちらが太いかという構造的特徴。
- 3. 筋収縮は筋小胞体から放出されるカルシウム(Ca²⁺)イオンによって開始されます。カリウムイオンは関与しません。正しくは:筋小胞体からのCa²⁺放出により筋収縮が開始される。選びやすい理由:イオンの放出が関与するという点は正しいが、どのイオンかという点で誤解を招きやすいです。活動電位におけるカリウムイオンの関与と混同する可能性があります。混同注意:筋収縮を開始させるイオンの種類(Ca²⁺とK⁺)。
- 4. ATPを分解する酵素(ATPアーゼ)はミオシン頭部に存在し、ミオシン頭部がATPを加水分解することで筋収縮のエネルギーを得ます。正しくは:ATPを分解する酵素はミオシンに存在する。選びやすい理由:アクチンとミオシンが筋収縮に密接に関わるため、どちらにあるか混同しやすいです。混同注意:ATPアーゼの局在(アクチンかミオシンか)。
- 5. 正解。筋収縮の滑り説において、ミオシンフィラメント(A帯)は長さが変わらず、アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの中心部へ滑り込むため、ミオシンフィラメントのみ存在するH帯は短縮、または消失します。選びやすい理由:筋収縮の際の各帯の変化を正確に理解していれば選択できます。混同注意:各バンド(A帯、I帯、H帯、Z膜)の収縮時の変化。
国試ポイント
筋収縮の分子メカニズム、特に筋原繊維内の各バンド(H帯、I帯、A帯)が収縮時にどのように変化するかについて問われることが多いです。また、筋小胞体からのCa²⁺放出やATPの役割も頻出論点です。
混同注意
筋収縮における各バンド(A帯、I帯、H帯)の変化。A帯は長さが変わらないこと、I帯は短縮すること、Z膜間の距離が短縮することなど、それぞれの変化を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
筋原繊維の構造と各バンドの名称、および収縮時の各バンドの長さの変化、筋小胞体からのCa²⁺放出が筋収縮の引き金となるメカニズム、ATPがミオシン頭部のATPaseにより分解されることによるエネルギー供給について理解しているか。
関連知識
筋収縮の滑り説、トロポニン・トロポミオシンの役割、Ca²⁺の機能、ATPの役割、活動電位と筋収縮の連関。