関節リウマチにみられる変形と部位の組合せで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
関節リウマチは全身の関節に影響を及ぼしますが、特に手指や足部の変形が特徴的です。足部においては、開張足、外反母趾、槌趾、そして内反小指などが典型的変形として知られています。選択肢4の「内反小指変形と足部」は、この知識に合致するため、適切な組み合わせです。他の選択肢は、変形の名称と好発部位の組み合わせが誤っています。
選択肢ごとの解説
- 1. スワンネック変形は手指のPIP関節とDIP関節に生じる過伸展と屈曲の複合変形であり、環軸関節に発生することはありません。正しくは:スワンネック変形は手指に起こります。選びやすい理由:関節リウマチが頸椎や手指に多様な変形をもたらすという知識があるため、部位と変形を混同しやすいです。混同注意:環軸関節には、環軸関節亜脱臼などが起こりやすいです。スワンネック変形と、リウマチ性頸椎病変を混同している可能性があります。
- 2. ムチランス変形(telescoping finger)は、進行した関節破壊により骨が短縮し、手指や足趾が伸び縮みするような変形を指します。脊柱にはこの種の変形は通常見られません。正しくは:ムチランス変形は手指や足趾に起こります。選びやすい理由:関節リウマチが脊柱(特に頸椎)にも影響を及ぼすという知識から、一見すると選択肢としてあり得るように感じてしまうかもしれません。混同注意:ムチランス変形と、脊柱に起こる他のリウマチ性変化(例:環軸関節亜脱臼、椎体破壊)を混同している可能性があります。
- 3. ボタン穴変形は、手指のPIP関節に起こる屈曲と、DIP関節の過伸展を特徴とする変形です。手の母指に特有の変形としては、Z変形やコブラー変形などが挙げられます。正しくは:ボタン穴変形は手指のPIP関節に起こります。選びやすい理由:手の母指にも様々な変形(Z変形など)が見られるため、他の指の変形と混同しやすいです。混同注意:ボタン穴変形とZ変形、特に母指のZ変形を混同している可能性があります。
- 4. 正解。関節リウマチでは、足部の変形として、開張足、外反母趾、槌趾、そして小指が内側に変形する内反小指変形などがよく見られます。この組み合わせは適切です。正しくは:この組み合わせは適切です。選びやすい理由:足部の変形は多岐にわたるため、他の変形と混同する可能性もありますが、内反小指はリウマチ性足部変形の典型の一つです。
- 5. Z変形(スワンネック様変形とも呼ばれる)は、手の母指に特有の変形です。CM関節の屈曲とMIP関節の過伸展を特徴とします。足の母指に発生するのは外反母趾などです。正しくは:Z変形は手の母指に起こります。選びやすい理由:手の母指に起こるZ変形と、足の母指に起こる外反母趾などを混同しやすいです。どちらも母指の変形ですが、部位と名称が異なります。混同注意:手の母指のZ変形と、足の母指に起こる外反母趾やその他の変形を混同している可能性があります。
国試ポイント
関節リウマチにおける特徴的な関節変形とその好発部位を正確に理解しているかを問う問題です。特に手指と足部の変形は多岐にわたるため、個々の変形名称と、それがどの関節(指、足趾、頸椎など)のどの部分(PIP、DIP、CM関節など)に生じるかを正確に覚えている必要があります。
混同注意
各変形の名称(スワンネック、ボタン穴、Z変形、ムチランス、内反小指)と、それぞれの好発部位(PIP関節、DIP関節、CM関節、足趾、環軸関節など)を混同しやすいです。特に、手の指と足の指の変形、および頸椎の病変との区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、変形の名称だけでなく、具体的な関節病変(例:PIP関節の屈曲、CM関節の亜脱臼など)と、それがどの疾患でどの部位に起こるかまで詳細に問われる可能性があります。また、変形によって引き起こされる機能障害や、それに対する理学療法介入についても問われることが考えられます。
関連知識
関節リウマチの疾患概念、病態生理、関節外症状、診断基準、治療法(薬物療法、装具療法、理学療法、手術療法)。変形の種類だけでなく、なぜその変形が生じるのかという病理学的理解も重要です。例えば、滑膜炎による関節破壊や腱の逸脱などが変形の原因となります。