人工呼吸器装着患者の理学療法で適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
人工呼吸器装着患者であっても、循環動態が安定していれば、早期離床や座位保持を積極的に行うべきです。ベッドアップ60°を上限とすることは、呼吸理学療法の観点から適切ではありません。合併症予防や呼吸機能改善のためには、患者の状態に応じてさらに積極的に離床を促す必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。人工呼吸器を使用している患者さんでは、体位変換や離床を積極的に行うことで呼吸機能の改善や合併症予防につながります。ベッドアップ60°を上限とすることは適切ではなく、患者さんの状態に合わせてさらに高い角度や座位、早期離床を目指すべきです。特に循環動態が安定していれば、90度までベッドアップしたり、積極的に早期離床を促すことが推奨されます。正しくは:患者さんの状態が安定していれば、ベッドアップ角度の制限は原則なく、90°の端座位や早期離床も積極的に進めるべきである。選びやすい理由:人工呼吸器装着患者は不安定なイメージがあるため、慎重な対応が必要だと考え、ベッドアップの制限を設けることが正しいと誤解しやすい。混同注意:患者の病態や呼吸器の設定に応じた適切な離床レベルと、一般論としての早期離床の重要性。
- 2. 体位変換は、人工呼吸器装着患者の気道内分泌物の排出を促し、無気肺や肺炎などの合併症を予防するために非常に重要です。選びやすい理由:特になし。これは一般的な理学療法の原則であるため、適切だと判断しやすい。
- 3. 気管内吸引では、カテーテルを気管内に挿入する際には陰圧をかけずに行い、分泌物に到達してから陰圧をかけて吸引を開始するのが正しい手技です。これは、気管粘膜への損傷や低酸素血症を防ぐためです。選びやすい理由:特になし。吸引の手技として基本的な知識であるため、適切だと判断しやすい。
- 4. 気管内吸引は清潔操作が必須であり、感染予防の観点から滅菌されたカテーテルを使用することが基本です。選びやすい理由:特になし。感染管理の基本であるため、適切だと判断しやすい。
- 5. 人工呼吸器装着患者は、気管チューブが声帯を通過しているため会話ができません。そのため、筆談ボードや意思伝達装置などを用いて、患者さんのコミュニケーションを支援することは、患者さんの精神的安定やADL自立支援のために極めて重要です。選びやすい理由:特になし。患者中心のケアとして重要であるため、適切だと判断しやすい。
国試ポイント
人工呼吸器装着患者の理学療法における、早期離床・体位変換の重要性、および気管内吸引の基本的な手技と清潔操作に関する知識が問われています。特に、誤解されがちなベッドアップの制限について正確な知識が求められます。
混同注意
人工呼吸器装着患者に対する慎重な対応と、積極的な理学療法の実施のバランス。安定期と急性期の対応の違い。
次に同じ論点が出たら
今後、人工呼吸器装着患者の理学療法に関する問題が出題された場合、早期離床の具体的な方法(例:ギャッジアップ角度、端座位、車椅子移乗のタイミング)、呼吸理学療法の具体的な手技(例:体位ドレナージ、スクイージング)、または合併症予防策(例:口腔ケアの重要性)について、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
早期離床の効果(肺炎予防、筋力低下予防、ADL維持など)。気管内吸引の目的と手技(清潔操作、陰圧のタイミング、カテーテル径の選択)。人工呼吸器の種類と設定、合併症(VAPなど)。コミュニケーション支援の重要性。