疾患の症状と検査結果を図に示す。陽性尤度比で正しいのはどれか。
| 症状あり | 症状なし | |
|---|---|---|
| 検査陽性 | 30人 | 40人 |
| 検査陰性 | 70人 | 60人 |

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
陽性尤度比は、感度を(1−特異度)で割ることで求められます。感度は「症状あり(疾患あり)」の中で検査陽性になった割合で30/(30+70) = 0.30、特異度は「症状なし(疾患なし)」の中で検査陰性になった割合で60/(40+60) = 0.60です。したがって、陽性尤度比は0.30 / (1-0.60) = 0.30 / 0.40 = 0.75となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 選択肢1の0.30は感度であり、陽性尤度比とは異なります。感度は「症状あり」のグループにおける検査陽性の割合です。正しくは:陽性尤度比 = 感度 / (1 - 特異度) = 0.30 / (1 - 0.60) = 0.75選びやすい理由:感度を計算した時点で解答したくなるため、感度と陽性尤度比を混同していると誤って選択しやすいです。混同注意:感度
- 2. 選択肢2の0.42は、1-特異度(偽陽性率)の0.40と感度0.30を用いて0.30 / 0.70 = 0.428...と計算するなど、何らかの計算間違いをしている可能性が高いです。もしくは陰性尤度比の計算(0.70/0.60=1.17)など他の指標と混同している可能性があります。正しくは:陽性尤度比 = 感度 / (1 - 特異度) = 0.30 / (1 - 0.60) = 0.75選びやすい理由:計算間違いや、似たような比率計算のパターンと混同することで、この数値にたどり着く可能性があります。混同注意:計算ミス、または他の診断指標の計算方法
- 3. 選択肢3の0.50は、陽性尤度比の計算式とは全く異なるため誤りです。例えば、「症状あり」の合計に対する検査陽性の割合(30/(30+70)=0.3)と「症状なし」の合計に対する検査陰性の割合(60/(40+60)=0.6)の平均値などを算出している可能性も考えられますが、それは陽性尤度比ではありません。正しくは:陽性尤度比 = 感度 / (1 - 特異度) = 0.30 / (1 - 0.60) = 0.75選びやすい理由:特異度が0.60であるため、その半分や他の数値との安易な組み合わせで導き出される可能性があります。あるいは、感度0.3と特異度0.6の単純な足し算や割り算など、根拠のない計算でこの数値になる可能性もあります。混同注意:特異度や感度と無関係な数値を導き出す誤った計算
- 4. 選択肢4の0.60は特異度であり、陽性尤度比とは異なります。特異度は「症状なし」のグループにおける検査陰性の割合です。正しくは:陽性尤度比 = 感度 / (1 - 特異度) = 0.30 / (1 - 0.60) = 0.75選びやすい理由:特異度を計算した時点で解答したくなるため、特異度と陽性尤度比を混同していると誤って選択しやすいです。混同注意:特異度
- 5. 正解。陽性尤度比は、感度 / (1 - 特異度) で計算されます。問題の表から感度は 30 / (30 + 70) = 30 / 100 = 0.30 です。特異度は 60 / (40 + 60) = 60 / 100 = 0.60 です。したがって、陽性尤度比 = 0.30 / (1 - 0.60) = 0.30 / 0.40 = 0.75 となり、正しい値です。選びやすい理由:正しい計算手順を踏めば、自然にこの値にたどり着くため、特に誤りやすい点はありません。
国試ポイント
疾患の症状と検査結果から、感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比などを正しく計算できることが重要です。それぞれの定義を正確に理解し、混同しないようにしましょう。
混同注意
感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比、陽性反応適中度、陰性反応適中度など、診断評価指標の計算式と定義を混同しやすいです。特に、感度と陽性反応適中度、特異度と陰性反応適中度は分母が異なるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まず2x2分割表を正確に読み取り、「症状あり」が真の疾患あり、「症状なし」が真の疾患なしであることを確認します。次に、陽性尤度比の定義である「感度 / (1 - 特異度)」を思い出し、感度と特異度をそれぞれ正しく計算して当てはめます。
関連知識
陰性尤度比は(1−感度)を特異度で割ることで求められます。この問題の場合、(1-0.30) / 0.60 = 0.70 / 0.60 = 約1.17となります。尤度比は事前確率から事後確率を求める際に使用されるため、ベイズの定理と関連付けて理解しておくと良いでしょう。