フレイルの判定に用いる基本チェックリストで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では4・5のいずれも正解とされています。 フレイルの基本チェックリストは、高齢者のフレイル状態を簡易的にスクリーニングするための質問紙形式ツールです。そのため、対面での面接を必須とせず、自己記入や郵送での評価が可能であるという特徴があります(選択肢4)。また、このチェックリストの主な目的は、介護予防事業、特に二次予防事業の対象となる高齢者を選定し、適切な介入に繋げることです(選択肢5)。
選択肢ごとの解説
- 1. フレイルの基本チェックリストは、主に身体活動、栄養、口腔機能、閉じこもり、認知機能、うつ傾向といった生活機能に関する項目で構成されており、所得や資産といった直接的な経済状況を問う項目は含まれていません。正しくは:基本チェックリストは、主に生活機能、身体活動、栄養、口腔機能、閉じこもり、認知機能、うつ傾向に関する項目で構成されています。選びやすい理由:高齢者の生活機能には経済状況が影響を及ぼす側面もあるため、関連性があると考えて選択肢に入れてしまう可能性があります。混同注意:地域包括ケアシステムにおける多面的なアセスメントや、より広範な生活状況調査と混同する可能性があります。
- 2. 指輪っかテストはサルコペニアの簡易スクリーニングとして活用されることがありますが、フレイルの基本チェックリストは質問紙形式の自己記入式であり、この身体計測項目は直接含まれていません。正しくは:フレイルの基本チェックリストは、自己記入式の質問項目(例:身体活動、栄養、口腔機能、閉じこもり、認知機能、うつ傾向に関する質問)で構成されています。選びやすい理由:フレイルとサルコペニアは密接に関連しており、指輪っかテストはサルコペニアの簡易的な評価法として広く知られているため、チェックリストの一部と誤解しやすいです。混同注意:サルコペニアの評価指標(例:SARC-F、握力測定、指輪っかテストなど)と、フレイルのスクリーニングに特化した基本チェックリストとを混同する可能性があります。
- 3. 反復唾液嚥下テスト(RSST)は嚥下機能の客観的評価に用いられる検査ですが、フレイルの基本チェックリストは質問紙形式であり、このような身体測定や機能検査の実施は含まれません。チェックリストには、むせや噛みにくさに関する自己申告の質問が含まれます。正しくは:基本チェックリストの口腔機能に関する項目は、「半年前に比べて硬いものが食べにくくなりましたか」といった自己申告の質問です。選びやすい理由:口腔機能の低下はフレイルの重要な要素であり、反復唾液嚥下テストは口腔機能評価の代表的な検査であるため、基本チェックリストに含まれると関連付けて選択しがちです。混同注意:口腔機能低下症の診断基準や、より専門的な口腔機能評価と、簡易的な自己申告型のフレイル基本チェックリストとを混同する可能性があります。
- 4. 正解。フレイルの基本チェックリストは質問紙形式であり、対象者が自分で記入することができます。そのため、郵送での配布・回収や集団健診などでの自己記入を通じて、必ずしも専門職が対面で評価しなくても、初期スクリーニングとして活用することが可能です。
- 5. 正解。フレイルの基本チェックリストは、介護保険制度における「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」において、要介護状態となるリスクが高いが、まだ要介護認定を受けていない高齢者、すなわち二次予防事業(通所・訪問型サービス、一般介護予防事業など)の対象者を選定するためのスクリーニングツールとして位置づけられています。
国試ポイント
フレイルの基本チェックリストは、その目的、構成、利用方法、含まれる項目・含まれない項目について頻繁に出題されます。特に、介護予防事業における位置づけや、他の身体機能評価との違いを正確に理解しているかが問われます。
混同注意
他の身体機能評価(例:指輪っかテスト、反復唾液嚥下テスト、握力測定、Timed Up & Go Testなど)の項目と、基本チェックリストの自己申告項目とを混同しやすいです。また、フレイルの診断基準(例:Friedの基準)と、スクリーニング目的の基本チェックリストの区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、基本チェックリストの25項目全てを詳細に覚えているか、または各項目の意図や対象者を選定する基準を理解しているかが問われる可能性があります。また、フレイルの診断基準(Friedの5項目など)と基本チェックリストの違い、そしてこれらがどのように介護予防に活用されるかを深く問われる可能性があります。
関連知識
フレイルの概念、サルコペニア、口腔機能低下、閉じこもり、認知機能低下、うつ傾向といったフレイルに関連する各要素の知識。また、介護保険制度における介護予防事業(一次予防、二次予防)の位置づけや目的、および地域包括ケアシステムにおける多職種連携でのアセスメントの考え方。