ASIAの評価法について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ASIA評価における感覚機能は、0(感覚なし)、1(感覚鈍麻または異常)、2(正常)の3段階で評価されます。加えて、患者が検査に協力できない、または評価が不可能な状況では「NT (Not Testable)」と記録されます。この選択肢は、この評価基準を正確に述べています。
選択肢ごとの解説
- 1. ASIA評価は原則として仰臥位で行われます。これは、評価の標準化と患者の安定性を確保するためです。正しくは:評価は仰臥位で行う。選びやすい理由:一般的な診察やリハビリテーションの評価では座位で行われることもあるため、座位での評価も「ありえる」と感じやすい。混同注意:他の一般的な身体評価や機能評価における体位と混同しやすい。
- 2. ASIA評価は脊髄損傷の重症度とレベルを標準的に評価するためのものですが、神経系全体を網羅する「包括的な」評価法ではありません。特に脳機能や末梢神経疾患全般を評価するものではありません。正しくは:これは脊髄損傷の標準的な神経学的評価法である。選びやすい理由:脊髄損傷の評価として非常に重要であるため、その重要性から「包括的」と誤解しやすい。混同注意:一般的な「神経学的検査」という広い概念と混同しやすい。
- 3. 神経損傷高位の決定には、主要な感覚レベルと運動レベルが用いられます。深部腱反射は評価項目の一つですが、損傷高位の決定に直接的に用いられる主要な指標ではありません。正しくは:神経学的損傷高位の決定には、主要な感覚レベルと運動レベルが用いられる。選びやすい理由:深部腱反射は神経学的評価の重要な要素であり、反射異常が損傷部位をある程度示唆するため、損傷高位の決定にも使われると誤解しやすい。混同注意:深部腱反射の存在診断と、損傷高位の決定基準を混同しやすい。
- 4. 正解。ASIA評価における感覚機能の評価は、0(感覚なし)、1(感覚鈍麻または異常)、2(正常)の3段階で実施されます。ただし、患者が協力できない場合や評価が困難な場合は「NT (Not Testable)」と記録されます。選びやすい理由:特別なひっかけ要素は少ないが、具体的な評価段階を正確に覚えているかどうかが問われる。
- 5. 関節可動域制限があっても、その範囲内で筋肉の収縮があれば評価可能です。運動能力を評価する際には、関節の可動域制限があっても、筋力自体を評価しようと努めます。筋力が全く発揮されない場合や、関節可動域制限によって検査自体が不可能な場合に「NT」と記載します。正しくは:関節可動域に制限があっても、可能な範囲で筋力を評価し、筋力発揮がない場合や検査自体が不可能な場合に「NT」と記載する。選びやすい理由:関節可動域制限があると運動が十分にできないため、「検査不能」と判断されやすいという感覚があるため。混同注意:関節可動域制限と筋力低下の評価の優先順位や、NT(検査不能)の適用基準を混同しやすい。
国試ポイント
ASIA評価法の具体的な手順、特に各項目の評価基準と記録方法(例:感覚の評価段階、NTの適用条件、評価体位など)について正確な知識が問われます。細かなルールを正確に覚えているかが鍵となります。
混同注意
ASIA評価は脊髄損傷における標準的な評価法ですが、その詳細なルール、特に感覚・運動の評価段階や、NT(Not Testable)の適用条件について、他の神経学的検査法や一般的な身体評価の考え方と混同しやすい点が多くあります。また、評価高位の決定基準も誤解されやすい項目です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、感覚・運動レベルの決定方法、完全・不全損傷の判断基準、AIS分類の定義、具体的な評価項目(深部肛門痛覚・随意収縮など)について知識が問われる可能性が高いです。
関連知識
脊髄損傷の病態生理、神経学的診察の基礎知識、筋力テスト(MMT)の原則、知覚検査の原理。特にASIA Impairment Scale (AIS) の分類基準(A, B, C, D, E)と、それに基づいた予後予測についても理解していると良いでしょう。