失語症の型と症状の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ブローカ失語症は、前頭葉のブローカ野の損傷によって引き起こされる非流暢性失語の一種です。このタイプの失語症では、発話量の減少、発語の努力、発話の遅さ、短い文での表現、文法的な誤りなどが特徴的に見られ、自発言語の困難さが顕著です。聴覚理解は比較的良好に保たれることが多いです。したがって、自発言語の障害はブローカ失語症の主要な症状であり、この選択肢は正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. ウェルニッケ失語症の主要な特徴は、聴覚理解の重度な障害です。流暢な発話は可能ですが、話している内容や他者の話が理解できません。正しくは:ウェルニッケ失語症では、聴覚的な理解能力が著しく障害されます。選びやすい理由:ウェルニッケ失語は流暢性失語であるため、発話能力が保たれている点から、理解も保たれていると誤解する可能性があります。混同注意:ブローカ失語症(非流暢性失語で理解が比較的保たれる)と混同しやすいです。
- 2. 超皮質性失語症の診断的特徴の一つは、復唱能力が比較的良好に保たれていることです。この点がブローカ失語やウェルニッケ失語との鑑別点となります。正しくは:超皮質性失語症では、発話の繰り返し(復唱)は比較的良好に保たれます。選びやすい理由:「失語症」という病名から、多くの言語機能が障害されると予想し、復唱も障害されると考えるかもしれません。混同注意:伝導失語症(復唱が著しく障害される)や、ブローカ失語症・ウェルニッケ失語症(復唱が障害される)と混同しやすいです。
- 3. 正解。ブローカ失語症は非流暢性失語の代表例であり、発話量の減少、発語の努力、短い文での表現などが特徴です。自発言語の困難が顕著に見られます。選びやすい理由:ブローカ失語の診断的特徴を理解していれば、迷わず選択できるはずです。混同注意:ウェルニッケ失語(流暢だが内容が乏しい)や、超皮質性運動失語(復唱は良好だが自発語は少ない)と、自発語の困難さの質が異なります。
- 4. 伝導失語症は、弓状束の損傷に関連し、聴覚理解と自発語は比較的保たれているものの、復唱が著しく障害されることが特徴です。正しくは:伝導失語症では、発話の繰り返し(復唱)が著しく障害されます。選びやすい理由:伝導失語症はウェルニッケ失語症ほど重度な障害がないため、復唱も比較的保たれると誤解する可能性があります。混同注意:超皮質性失語症(復唱が保たれる)と混同しやすいです。
- 5. 健忘失語症の主な特徴は、特に名詞の想起困難(呼称困難)であり、聴覚理解は比較的良好に保たれます。発話は流暢ですが、言葉の探索が見られます。正しくは:健忘失語症では、聴覚的な理解能力は比較的良好に保たれます。主な症状は言葉の想起困難です。選びやすい理由:「失語症」という病名から、全体的な理解能力が低下すると考えるかもしれません。混同注意:ウェルニッケ失語症(聴覚理解が著しく障害される)と混同しやすいです。
国試ポイント
失語症の各タイプ(ブローカ失語、ウェルニッケ失語、伝導失語、超皮質性失語、健忘失語など)の主要な特徴(流暢性、復唱、聴覚理解、呼称、自発語など)を正確に理解し、鑑別できるかが問われます。特に、復唱の可否は超皮質性失語と皮質性失語を分ける重要なポイントです。
混同注意
各失語症のタイプで、特に『流暢性』『復唱』『聴覚理解』の3つの主要な指標がどのように影響を受けるかを整理しておくことが重要です。これらが混同されやすいため、正確な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、症状から失語症のタイプを識別する能力、または失語症のタイプから予測される症状を列挙する能力が試されるでしょう。特に、復唱能力に着目した鑑別問題は頻出です。
関連知識
失語症の分類(皮質性失語と超皮質性失語)、失語症の神経解剖学的基盤(ブローカ野、ウェルニッケ野、弓状束など)、その他(全失語、純粋失語、交叉性失語など)。