Danielsらの徒手筋力テストの検査肢位において、膝関節の伸展と屈曲が同じになる段階はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ダニエルズらの徒手筋力テストにおいて、段階2は「重力を排除した肢位で全可動域の運動が可能」な状態を指します。膝関節の伸展(大腿四頭筋)と屈曲(ハムストリングス)を重力排除位で評価する際、一般的に側臥位や仰臥位で下肢を支持し、水平面での運動としてテストするため、その検査肢位(例:側臥位)は共通して用いられます。これに対し、段階3以上の筋力評価では重力に抗する運動を評価するため、伸展と屈曲で異なる抗重力位(伸展は座位、屈曲は腹臥位など)で評価するのが一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 段階1は、筋肉の収縮は触知できるものの、関節運動が起こらない状態を指します。この段階では、重力の影響を排除する以前に、運動自体がほとんど観察できません。正しくは:段階2は重力の影響を排除した肢位で全可動域の運動が可能です。選びやすい理由:筋力低下が著しい患者では、段階1か2かを判断する状況が多いですが、段階1は「運動なし」が原則です。混同注意:段階2と混同しやすいが、段階1は「筋肉の収縮が触知できるが、関節運動は起こらない」状態です。
- 2. 正解。段階2は、重力の影響を排除した肢位であれば、関節の全可動域で運動が可能であることを示します。膝関節の伸展(大腿四頭筋)と屈曲(ハムストリングス)を重力排除位で評価する場合、通常は側臥位や仰臥位で下肢を支持し、水平面での運動としてテストするため、その検査肢位は共通となります。
- 3. 段階3は、重力に抗して関節の全可動域で運動が可能な状態を指します。この場合、膝関節の伸展と屈曲ではそれぞれ異なる抗重力位(座位や腹臥位など)で評価されるため、検査肢位は共通ではありません。正しくは:段階2は重力の影響を排除した肢位で全可動域の運動が可能です。選びやすい理由:段階3はMMTの基準となる重要な段階ですが、重力下での運動を評価するため検査肢位は異なります。混同注意:段階2と混同しやすいが、段階3は重力に抗する運動を評価する点で大きく異なります。
- 4. 段階4は、重力に抗して全可動域で運動が可能であり、中等度の抵抗にも打ち勝つことができる状態を指します。この場合も、膝関節の伸展と屈曲ではそれぞれ異なる抗重力位で評価されるため、検査肢位は共通ではありません。正しくは:段階2は重力の影響を排除した肢位で全可動域の運動が可能です。選びやすい理由:筋力がある程度回復した患者の評価で頻繁に用いられますが、検査肢位の共通性とは関係がありません。混同注意:段階3や段階5と筋力レベルで連続していますが、検査肢位の共通性は段階2の特徴です。
- 5. 段階5は、重力に抗して全可動域で運動が可能であり、最大の抵抗にも打ち勝つことができる正常な筋力を指します。この場合も、膝関節の伸展と屈曲ではそれぞれ異なる抗重力位で評価されるため、検査肢位は共通ではありません。正しくは:段階2は重力の影響を排除した肢位で全可動域の運動が可能です。選びやすい理由:最大筋力を表すため、目標とされる段階ですが、検査肢位の共通性とは関係がありません。混同注意:段階3や段階4と筋力レベルで連続していますが、検査肢位の共通性は段階2の特徴です。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)の各段階の定義と、特に重力の影響を考慮した検査肢位の選択について理解しているかを問う問題です。特定の関節(この場合は膝関節)における伸展・屈曲運動の評価肢位の共通性という点で、段階2が特徴的であることを理解しているかが鍵となります。
混同注意
MMTの段階定義自体は多くの学生が覚えているが、「重力排除位での全可動域運動」と「重力に抗して全可動域運動」の違い、そしてそれが検査肢位にどう影響するかについて曖昧な理解がある場合に混同しやすいです。特に、段階1と2、段階2と3の区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
この論点に再び出くわしたら、まずMMTの各段階の定義(特に重力と可動域の関係)を正確に確認します。次に、問題が特定の関節(例:膝、肩、股)の運動における「重力排除位」または「抗重力位」の共通性や相違点について問われているかを確認し、その関節の解剖学と運動学を考慮して判断します。特に、「同じになる段階」や「異なる段階」といった表現に注意します。
関連知識
徒手筋力テスト(Danielsら)の全段階(0~5)の定義、各段階での重力の影響、抵抗の有無、全可動域運動の可否、および主要な関節・筋肉群における具体的な検査肢位(重力排除位と抗重力位)の知識が必要です。例えば、肩関節や股関節の重力排除位も理解していると良いでしょう。