救急措置で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
最新の心肺蘇生法ガイドラインでは、胸骨圧迫の速さは100〜120回/分、深さは成人で約5cm(ただし6cmを超えない)と明確に定められています。この速さと深さで質の高い胸骨圧迫を継続することが、救命措置において最も重要な要素の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 傷病者を発見した場合でも、まずは周囲の安全確認が最優先です。二次災害を避けるため、安全が確保されてから傷病者に近づきます。正しくは:傷病者を発見した場合は、まず周囲の安全を確認し、安全が確保されてから傷病者に近づく。選びやすい理由:一刻を争う事態であるため、すぐに助けたいという気持ちから選んでしまう可能性があります。混同注意:『すぐに救命処置を開始する』ことと、『危険を顧みず駆け寄る』ことを混同しやすいです。
- 2. 意識確認の際、体を強くゆさぶる行為は、頸椎損傷などの既存の損傷を悪化させる危険性があります。肩を優しく叩きながら、声掛けで反応を確認するのが適切です。正しくは:傷病者の反応を確認する際は、肩を優しく叩きながら大声で呼びかけ、意識の有無を判断する。選びやすい理由:意識がないように見える場合、より強い刺激を与えなければ反応しないのではないかと考えやすいです。混同注意:『反応の確認』と、『刺激による覚醒の試み』を混同しやすいです。安全な方法での確認が重要です。
- 3. 応援者への最初の依頼は、まず『119番通報(救急車の要請)』と『AEDの手配』の両方を同時に行うことです。心肺蘇生法のガイドラインでは、まず救急車の要請が最優先事項の一つとされています。正しくは:複数人で対応する場合、応援者には『119番通報(救急車の要請)』と『AEDの手配』を同時に依頼する。選びやすい理由:AEDが重要であることは広く知られているため、真っ先にそれを依頼すべきだと考えてしまいがちです。混同注意:『AEDの重要性』と『救急要請の優先順位』を混同しやすいです。どちらも重要ですが、初期対応の順序があります。
- 4. 心肺蘇生(CPR)では、まず胸骨圧迫から開始することが推奨されています。気道異物の確認や除去は、意識がない状態で気道閉塞が疑われる場合に行われますが、まずは胸骨圧迫による血流維持が優先されます。特に、異物が見えないのにむやみに指を入れると、異物を奥に押し込んでしまう危険性があります。正しくは:心肺蘇生を行う際、まずは胸骨圧迫から開始し、気道異物が疑われる場合や、換気が困難な場合に口の中を確認する。選びやすい理由:窒息が原因である可能性を考えると、気道確保が重要だと思いがちです。しかし、一般的には胸骨圧迫が先行します。混同注意:『気道確保の重要性』と『心肺蘇生の手順』を混同しやすいです。異物除去は特定の状況で、特定の優先順位で行われます。
- 5. 正解。これは最新の心肺蘇生ガイドライン(JRC蘇生ガイドライン2020など)において推奨されている胸骨圧迫の正しい速さです。この速さで質の高い胸骨圧迫を行うことが、救命率向上に繋がります。選びやすい理由:特にありません。ガイドラインに沿った正しい知識です。
国試ポイント
この問題は、一次救命処置(BLS)における基本的な手順と各項目の具体的な実施方法に関する知識を問うものです。特に心肺蘇生法(CPR)の主要な構成要素である胸骨圧迫の適切な速さについて問うています。他の選択肢は、安全確認の優先順位、意識確認の方法、応援者への依頼内容、気道異物除去のタイミングなど、BLSの初期対応における間違いやすい点や優先順位を理解しているかを確認しています。
混同注意
胸骨圧迫の『速さ』と『深さ』、そして『中断を最小限にする』という要素は、しばしば混同したり、どれか一つが欠けたりしやすいポイントです。また、初期対応における『安全確認』、『意識確認』、『応援要請』、『CPR開始』の優先順位も、状況によって判断を迷いやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、胸骨圧迫の『速さ』だけでなく、『深さ』や『中断の最小化』、『圧迫解除』に関する具体的な数値や推奨事項、あるいは小児や乳児の心肺蘇生法の違いについても確認するべきです。また、各状況(異物除去の有無、複数人での連携など)に応じた対応の優先順位についても詳細に問われる可能性があります。
関連知識
一次救命処置(BLS)のアルゴリズム、成人の心肺蘇生法(胸骨圧迫、人工呼吸)、AEDの使用方法、気道異物除去法(ハイムリック法、背部叩打法)、JRC蘇生ガイドラインの最新情報。