血友病について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
血友病は、凝固因子の欠損により出血しやすくなる遺伝性疾患です。特に、関節内出血が頻繁に発生し、繰り返しの出血は関節軟骨や滑膜に損傷を与え、最終的に血友病性関節症を引き起こします。中でも膝関節は、荷重関節であることや可動域の大きさから、出血が起こりやすく、最も関節症をきたしやすい関節の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 血友病では、脾臓の腫大は典型的な症状ではありません。脾腫は門脈圧亢進症、溶血性貧血、特定の感染症などで見られます。正しくは:血友病では脾腫は通常見られない。選びやすい理由:他の血液疾患や肝疾患との関連で、脾腫を伴う疾患があるため、混同しやすい可能性があります。混同注意:肝硬変による門脈圧亢進症や、一部の溶血性貧血など、他の疾患による脾腫と混同する可能性があります。
- 2. 血友病は凝固因子の欠損による疾患であり、血小板の数自体は通常正常です。血小板機能や数が異常なのは血小板減少症や血小板機能異常症です。正しくは:血友病では血小板数は通常正常です。選びやすい理由:出血傾向がある疾患として、血小板減少症と混同しやすいかもしれません。混同注意:血小板減少性紫斑病や再生不良性貧血など、血小板数減少を伴う出血性疾患と混同する可能性があります。
- 3. 点状紫斑(点状出血)は、血小板の機能異常や血管壁の脆弱性による皮下出血で特徴的です。血友病は凝固因子欠損によるもので、関節内出血や筋肉内出血、大きな皮下出血(斑状出血)が主で、点状紫斑は典型的ではありません。正しくは:血友病では点状紫斑ではなく、関節内出血や筋肉内出血、斑状出血が主です。選びやすい理由:出血傾向を示す症状の一つであるため、一見正しいように感じられるかもしれません。混同注意:血小板減少症や血管性紫斑病など、点状紫斑を主症状とする疾患と混同しやすいです。
- 4. 正解。血友病では関節内出血(血友病性関節症)が頻繁に起こり、特に荷重関節である膝、肘、足関節に繰り返しの出血が起こることで、慢性的な炎症、軟骨破壊、骨変形が生じ、関節症へと進行します。これは血友病の最も特徴的な合併症の一つです。選びやすい理由:この選択肢が血友病の主要な合併症であることを知っている受験生にとっては、迷わず選べるでしょう。混同注意:他の出血傾向を伴う疾患でも関節出血が起こる可能性はあるものの、これほど重篤な関節症を引き起こすことは稀です。
- 5. 血友病は遺伝性の凝固因子(主に第VIII因子または第IX因子)の欠損による疾患であり、自己免疫性疾患ではありません。自己免疫性疾患は免疫系が自己の組織を攻撃する病態です。正しくは:血友病は遺伝性の凝固因子欠損症です。選びやすい理由:「病」と付くことや、治療に関連して免疫反応が起こる場合(インヒビター産生)があるため、誤解を招く可能性があります。混同注意:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)など、一部の血液疾患に自己免疫性のものがあるため、混同しやすいかもしれません。
国試ポイント
血友病の主要な合併症である血友病性関節症とその原因(反復性関節内出血)を理解しているか、また他の出血傾向を示す疾患(血小板減少症など)との鑑別ができているかが問われています。
混同注意
血友病による出血と、血小板減少症や血管性紫斑病による出血の症状(点状紫斑の有無など)を混同しやすい。また、血友病の病態が凝固因子異常であることを理解せず、血小板異常と混同する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に血友病について問われる場合、遺伝形式、インヒビター発生の機序と対応、運動療法における禁忌(急性期など)、適切な運動療法の種類や注意点、合併症の早期発見や評価方法(例:関節スコア)などが問われる可能性があります。
関連知識
血友病の遺伝形式(X連鎖劣性遺伝)、主な治療法(凝固因子補充療法)、インヒビター発生とその対応、理学療法士として重要な関節可動域訓練や筋力維持、装具療法。