2型糖尿病の運動療法について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
尿中ケトン体が陽性である場合、体内のインスリン作用が著しく不足している状態(インスリン欠乏状態)を示しており、糖尿病性ケトアシドーシスのリスクが高いです。このような状況で運動を行うと、ストレスホルモンが分泌され、血糖値をさらに上昇させたり、脂肪分解を促進してケトン体産生を加速させたりする可能性があるため、運動は禁忌とされます。運動は、インスリンが十分に作用している状態で安全に行われるべきです。
選択肢ごとの解説
- 1. 2型糖尿病の運動療法において、有酸素運動は血糖コントロール改善に有効であり、推奨される主要な運動形態の一つです。正しくは:正しい選択肢のため修正は不要です。選びやすい理由:運動療法の基本なので、正しい記述として認識されやすいです。混同注意:運動療法における有酸素運動の重要性と混同することはありません。
- 2. 運動療法は、インスリン抵抗性を改善し、インスリン感受性を上昇させる重要な効果があります。これにより、血糖値のコントロールが改善します。正しくは:正しい選択肢のため修正は不要です。選びやすい理由:2型糖尿病の病態生理と運動療法の効果を理解していれば、正しい記述として認識できます。混同注意:インスリン抵抗性とインスリン感受性の関係性を正確に理解していれば混同しません。
- 3. 糖尿病治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法の三本柱であり、特に運動療法は食事療法と併用することで相乗効果が期待されます。正しくは:正しい選択肢のため修正は不要です。選びやすい理由:糖尿病の基本的な治療原則なので、正しい記述として認識されやすいです。混同注意:糖尿病治療の多角的アプローチの重要性と混同することはありません。
- 4. 正解。尿中ケトン体が陽性である場合は、インスリン作用の著しい不足により脂肪がエネルギー源として分解され、ケトン体が増加している状態(インスリン不足による糖尿病性ケトアシドーシスの危険性)を示唆します。この状態での運動は、さらにケトン体産生を促進し、病態を悪化させる可能性があるため、原則として運動は禁忌です。正しくは:尿検査でケトン体が陽性である場合は、運動は推奨されない。選びやすい理由:一般的に運動は健康に良いという認識から、軽い運動なら大丈夫だと誤解しやすいかもしれません。混同注意:血糖値が高くても運動は推奨される場合があることと、ケトン体陽性時の運動禁忌を混同しやすいです。
- 5. 運動開始時にインスリンが不足していると、血糖値がさらに上昇したり、ケトン体が増加したりするリスクがあります。特に1型糖尿病患者ではインスリン注射が必須であり、2型糖尿病患者でも適切なインスリンレベルが重要です。正しくは:正しい選択肢のため修正は不要です。選びやすい理由:運動が血糖に与える影響を考慮すると、インスリンの役割は重要であると理解できるため、正しい記述として認識されやすいです。混同注意:血糖コントロールにおけるインスリンの役割の重要性と混同することはありません。
国試ポイント
糖尿病の運動療法における禁忌事項(特に尿中ケトン体陽性時)の理解を問う問題です。運動療法の基本的な原則、効果、注意点について正確な知識が求められます。
混同注意
高血糖時の運動の是非(無症状の高血糖であれば運動が推奨される場合もある)と、ケトン体陽性時の運動禁忌を混同しやすい。また、インスリン抵抗性がある2型糖尿病患者において、インスリンが『十分に補充されている』状態の理解が曖昧だと迷う可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出た場合、運動療法の適応、禁忌、運動処方の原則(種類、強度、時間、頻度)に加え、具体的な合併症(糖尿病性網膜症、腎症、神経障害など)がある場合の運動制限についても問われる可能性があります。
関連知識
糖尿病性ケトアシドーシス、運動療法の適応と禁忌、インスリン感受性、有酸素運動の効果、食事療法の重要性、糖尿病における血糖コントロールの指標。