リンパ浮腫について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
リンパ浮腫はリンパ液の流れが障害されることで、局所の免疫機能が低下します。これにより、細菌感染に対する防御力が弱まり、蜂窩織炎(細菌性皮膚軟部組織感染症)を繰り返しやすくなることが知られています。これはリンパ浮腫の主要な合併症であり、患者教育においても重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. リンパ浮腫は主に四肢に発生する局所的な浮腫であり、全身性の水分貯留を示す腹水とは直接関係がありません。腹水は肝硬変や心不全など、他の疾患でよく見られます。正しくは:リンパ浮腫と腹水は直接的な関連性が薄いです。選びやすい理由:浮腫という言葉から全身性の水分貯留を連想しやすいため。混同注意:全身性浮腫と局所性浮腫の区別、または原因が異なる浮腫全般との混同。
- 2. リンパ浮腫は組織間液中のタンパク質濃度が高く、通常の水分貯留による浮腫とは病態が異なります。そのため、利尿薬は効果が乏しく、脱水を招くリスクがあるため推奨されません。主な治療法は複合的理学療法です。正しくは:利尿薬はリンパ浮腫の治療には一般的に推奨されません。選びやすい理由:多くの浮腫の治療に利尿薬が使われるため、リンパ浮腫もそうだと誤解しやすい。混同注意:心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫などの全身性浮腫とリンパ浮腫の病態の違い。
- 3. 正解。リンパ液の流れが滞ると、その部分の免疫機能が低下し、細菌感染に対する防御力が弱まります。これにより、皮膚の微細な傷などから細菌が侵入し、蜂窩織炎(細菌性皮膚軟部組織感染症)を繰り返しやすくなります。これはリンパ浮腫の主要な合併症の一つです。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、他の選択肢との比較で正しいと判断できる。混同注意:特にない。
- 4. 肺塞栓症の主な原因は深部静脈血栓症(DVT)であり、血栓が肺動脈に飛ぶことで発生します。リンパ浮腫はリンパ系の疾患であり、血液凝固異常や静脈血栓形成とは直接的な関連がありません。正しくは:肺塞栓症の主な原因は深部静脈血栓症であり、リンパ浮腫とは異なります。選びやすい理由:下肢の病態に関連する疾患として、血栓症と混同しやすい。混同注意:リンパ浮腫と深部静脈血栓症の鑑別。
- 5. リンパ浮腫が慢性化すると、炎症反応やリンパ液中のタンパク質の貯留により、皮下組織の線維化が進行し、皮膚が硬く肥厚することが特徴です。これはリンパ浮腫の典型的な症状の一つであり、決して稀ではありません。正しくは:リンパ浮腫では皮膚の線維化はよく見られる症状です。選びやすい理由:初期のリンパ浮腫では線維化が目立たないため、進行した状態を想定できない場合に誤解しやすい。混同注意:リンパ浮腫の進行期における皮膚の変化。
国試ポイント
リンパ浮腫の病態生理、特に合併症や治療の原則について問われています。他の浮腫(心性、腎性、肝性など)との鑑別、およびリンパ浮腫に特有な特徴を理解しているかが問われるポイントです。
混同注意
リンパ浮腫と、全身性浮腫(心不全、腎不全、肝不全などによるもの)、深部静脈血栓症、または一般的な浮腫治療としての利尿薬の使用。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、リンパ浮腫の治療法(複合的理学療法の内容)や、リンパ浮腫の段階別の特徴(初期の可逆性浮腫から進行期の線維化・象皮病など)について問われる可能性があります。
関連知識
リンパ浮腫の診断基準、リンパドレナージ、圧迫療法、スキンケアといった複合的理学療法の内容。リンパ浮腫の病期分類(国際リンパ学会分類など)。リンパ管造影やリンパシンチグラフィーなどの検査法。