Down症候群が示す特徴的な姿勢はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ダウン症候群の乳児は、筋緊張の低下と関節弛緩のため、両肩関節の外転・外旋位、肘関節の屈曲位、股関節の外転・屈曲・外旋位、膝関節の屈曲位をとる傾向があります。選択肢2の肢位は、この特徴的な姿勢(カエル肢位、frog-leg position)をよく表しており、筋緊張の低下が全身に及んでいることを示唆しています。
選択肢ごとの解説
- 1. この肢位は非対称性緊張性頸反射(ATNR)の要素を示しており、正常な乳児の発達段階で一時的に見られることがありますが、ダウン症候群に典型的な筋緊張低下による肢位ではありません。四肢の伸展が比較的保たれています。正しくは:ダウン症候群に典型的なのは全身の筋緊張低下によるカエル肢位です。選びやすい理由:乳児の原始反射に関する知識と混同しやすいですが、問題はダウン症候群「典型的な」姿勢を問うています。混同注意:非対称性緊張性頸反射(ATNR)の姿勢。
- 2. 正解。両肩関節の外転・外旋位、肘関節の屈曲位、股関節の外転・屈曲・外旋位、膝関節の屈曲位は、ダウン症候群に典型的な筋緊張低下と関節弛緩によるカエル肢位(frog-leg position)です。選びやすい理由:ダウン症候群の身体的特徴として筋緊張低下が有名であるため、この弛緩した姿勢が直感的に選びやすいです。混同注意:特になし。この姿勢がダウン症候群に特徴的であることを知っていれば容易に選択できます。
- 3. これはうつ伏せで両腕を前方に伸ばし、両下肢を後方に持ち上げる「飛行機姿勢(swimming reflex)」に近いもので、正常な乳児が腹臥位で遊びの一環として見せる姿勢です。ダウン症候群の筋緊張低下では、通常この姿勢を長時間保持することは困難です。正しくは:ダウン症候群に典型的なのは全身の筋緊張低下によるカエル肢位です。選びやすい理由:腹臥位での姿勢として、一時的に見られることがあるため、正常発達との区別がつきにくいかもしれません。混同注意:正常な乳児の腹臥位での運動発達。
- 4. これは腹臥位で肘で体を支え、頭部を挙上している姿勢で、正常な乳児の首すわりが始まる頃(3〜4ヶ月頃)に見られる発達段階の姿勢です。ダウン症候群の乳児は筋緊張低下により、この姿勢を保持するまでに時間を要します。正しくは:ダウン症候群に典型的なのは全身の筋緊張低下によるカエル肢位です。選びやすい理由:腹臥位での発達段階の姿勢として知られているため、一般的な発達知識と混同しやすいです。混同注意:正常な乳児の首すわり後の腹臥位での姿勢。
- 5. これは寝返りの中間姿勢、あるいは側臥位で体を丸めている姿勢に近いですが、ダウン症候群に特異的な姿勢ではありません。筋緊張低下が全身に及んでいる典型的なカエル肢位とは異なります。正しくは:ダウン症候群に典型的なのは全身の筋緊張低下によるカエル肢位です。選びやすい理由:乳児の様々な姿勢の一つとして見過ごされやすいですが、ダウン症候群の典型的な姿形ではないです。混同注意:乳児の一般的な寝返りや側臥位の姿勢。
国試ポイント
ダウン症候群の乳児に特徴的な筋緊張低下と関節弛緩による姿勢(カエル肢位)を視覚的に識別できるか。
混同注意
通常の乳児でも仰臥位で手足を屈曲させていることはありますが、ダウン症候群のカエル肢位は、特に股関節と膝関節の著しい屈曲・外転・外旋が特徴的で、筋緊張の低下が強く反映されています。単なるリラックスした姿勢とは異なります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、仰臥位で全身の筋緊張が低下し、四肢がだらんと開いたような肢位(特に股関節が外転・外旋し、膝関節が屈曲しているカエル肢位)を示しているかを判断のポイントとします。
関連知識
ダウン症候群は21トリソミーによって引き起こされる染色体異常症であり、特徴的な顔貌(つり上がった目、低い鼻梁)、筋緊張低下、精神発達遅滞、先天性心疾患、消化器系奇形などを伴うことが多いです。乳幼児期には筋緊張低下が顕著であり、運動発達の遅れの一因となります。