外反肘をきたしやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
上腕骨外顆は肘関節の外側部分を構成し、成長期の骨折が不適切に癒合すると、その成長が障害されたり、骨片の転位によって関節の構造が変化したりすることで、肘関節が外反する変形(外反肘)を引き起こしやすいです。特に小児期に発生した場合に注意が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 尺骨肘頭骨折は肘関節の安定性低下や可動域制限を引き起こしますが、外反肘の直接的な原因とはなりにくいです。変形としては、骨折部位の癒合不全や偽関節によるものが考えられます。正しくは:尺骨肘頭骨折は、主に伸展制限や不安定性を引き起こします。選びやすい理由:肘関節周囲の骨折であるため、変形性疾患と関連があるように感じるかもしれません。混同注意:肘関節周囲の変形性疾患全般と混同しやすいです。
- 2. 正解。上腕骨外顆は肘関節の外側安定性に関与しており、この部位の骨折、特に小児期に発生したものが不適切に癒合すると、外反肘を引き起こす原因となります。外顆の成長障害や骨片の転位が原因となります。選びやすい理由:肘関節周囲の骨折が複数ある中で、解剖学的な知識に基づいて正しい選択肢を選べるかが問われます。混同注意:内反肘を引き起こす上腕骨顆上骨折など、他の肘関節変形を伴う骨折と混同しやすいです。
- 3. 上腕骨顆上骨折は小児期に多く、特に内反変形(内反肘)を生じやすいことで知られています。これは、骨折後の不適切な整復や成長障害によって起こります。正しくは:上腕骨顆上骨折は、特に内反肘を発生させやすいです。選びやすい理由:肘関節の代表的な骨折であり、変形を引き起こすため、一見正解のように見えます。混同注意:外反肘と内反肘の区別、およびそれぞれの原因となる骨折を混同しやすいです。
- 4. 上腕骨内側上顆骨折は、内側側副靭帯の付着部であるため、肘関節の内側不安定性や、稀に遅発性尺骨神経麻痺を引き起こすことがありますが、直接的な外反肘の主要原因ではありません。正しくは:上腕骨内側上顆骨折は、肘関節の内側不安定性や尺骨神経麻痺を引き起こすことがあります。選びやすい理由:肘関節の骨折であり、神経麻痺などの合併症もあるため、重篤な変形と結びつけやすいかもしれません。混同注意:外反肘の発生機序と、他の肘関節周囲の障害発生機序を混同しやすいです。
- 5. 橈骨小頭骨折は、肘関節の可動域制限、特に回旋運動の制限や疼痛を引き起こしますが、外反肘のような角度変形の原因となることは稀です。正しくは:橈骨小頭骨折は、主に肘関節の可動域制限や疼痛を引き起こします。選びやすい理由:肘関節周囲の骨折であるため、変形性疾患と関連があるように感じるかもしれません。混同注意:外反肘の形態的変化と、他の機能的障害を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、肘関節の各部位の解剖学的知識と、それぞれの骨折が引き起こす可能性のある代表的な合併症や変形について理解しているかを問うものです。特に、外反肘と内反肘の原因となる骨折を正確に区別できるかがポイントとなります。
混同注意
上腕骨外顆骨折は外反肘、上腕骨顆上骨折は内反肘を引き起こしやすいという点で非常に混同しやすいです。これら二つの骨折と、それぞれが原因となる変形を明確に区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、肘関節周囲の骨折とそれによって生じうる合併症や変形(神経麻痺、関節拘縮、偽関節、阻血性拘縮など)の組み合わせを問う問題が考えられます。特に小児期の骨折に注目し、成長軟骨板の損傷との関連も意識すると良いでしょう。
関連知識
外反肘とは、肘関節が伸展位で上腕と前腕がなす角度が異常に大きくなり、生理的外反(約10-15度)を超える状態を指します。内反肘は、その逆で、上腕と前腕が内側に曲がる変形です。これらの変形は、遅発性尺骨神経麻痺などの二次的な合併症を引き起こすこともあります。