関節リウマチの脊椎病変で最も多いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
関節リウマチは、全身の関節に慢性的な炎症を引き起こす自己免疫疾患であり、特に環軸関節(C1-C2)に高い頻度で病変を認めます。この関節の滑膜炎により、周囲の靭帯や関節包が破壊され、環軸椎亜脱臼が生じやすくなります。これは上部頸椎の不安定性を招き、脊髄圧迫のリスクがあるため、臨床的に非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 黄色靭帯骨化は、関節リウマチの一般的な脊椎病変ではありません。これはびまん性特発性骨増殖症(DISH)や加齢に伴う変性でよく見られます。正しくは:黄色靭帯骨化は、関節リウマチよりもびまん性特発性骨増殖症や加齢に伴う変性でよく見られる病変です。選びやすい理由:脊椎の病変として一般的なイメージがあるため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:他の脊柱管狭窄の原因と混同しやすいです。
- 2. 正解。関節リウマチでは、特に環軸関節(C1-C2)に炎症が生じやすく、靭帯や関節包の破壊により環軸椎亜脱臼が非常に高頻度で発生します。これは上部頸椎の不安定性をもたらし、脊髄圧迫のリスクがあります。選びやすい理由:関節リウマチの脊椎病変として非常に有名であり、知識があれば迷わず選択できます。混同注意:他の脊椎疾患における不安定性とは機序が異なります。
- 3. 後縦靭帯骨化(OPLL)は、関節リウマチに特有の病変ではなく、特定の遺伝的素因を持つ人種に多く見られる原因不明の疾患です。関節リウマチとは直接的な関連性が薄いです。正しくは:後縦靭帯骨化は、関節リウマチとは異なる独立した疾患であり、特に日本人に多く見られます。選びやすい理由:黄色靭帯骨化と同様に、脊椎の病変として一般的によく知られているため、混同しやすい可能性があります。混同注意:脊柱管狭窄の原因となる他の靭帯骨化症と混同しやすいです。
- 4. 脊柱側弯は、関節リウマチの直接的な脊椎病変として最も多いものではありません。小児期の発育性側弯や変性側弯など、様々な原因で起こりますが、リウマチとの関連性は低いです。正しくは:脊柱側弯は、関節リウマチの主要な脊椎病変ではなく、他の原因によって引き起こされることが多いです。選びやすい理由:脊柱の変形として一般的なイメージがあるため、脊椎の病変として選択肢に挙げられやすいです。混同注意:全身性疾患が引き起こす可能性のある他の脊椎変形と混同するかもしれません。
- 5. 腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の変性や物理的なストレスによって発生し、関節リウマチの特異的な病変ではありません。関節リウマチ患者にも発生しますが、最も頻繁な脊椎病変とは言えません。正しくは:腰椎椎間板ヘルニアは、関節リウマチに特有の病変ではなく、一般的な腰痛の原因として広く見られます。選びやすい理由:非常に一般的な脊椎疾患であるため、誤って選びやすい可能性があります。混同注意:一般的な脊椎の痛みや神経症状の原因として混同しやすいです。
国試ポイント
関節リウマチの脊椎病変に関する知識、特に最も特徴的で頻度が高い病態を問う問題です。関節リウマチが全身疾患であり、関節炎が脊椎にも及ぶことを理解しているか、またその中でも特に重要な病変部位を把握しているかが試されます。
混同注意
関節リウマチの合併症として、他の脊椎疾患(例:脊椎関節炎、強直性脊椎炎)との鑑別が重要です。また、一般的な脊椎の変性疾患や骨化症と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
関節リウマチ患者の頸部痛や神経症状が認められた場合、環軸椎亜脱臼の可能性を第一に疑い、速やかに医師への報告と画像診断の確認を行うべきです。特に、頸部の過伸展・過屈曲を伴う運動や徒手的な治療介入には細心の注意を払い、禁忌事項を遵守する必要があります。
関連知識
関節リウマチの病態生理、合併症(アトラス軸関節の病変、手指・足趾の変形、内臓病変など)、身体所見(疼痛、腫脹、可動域制限、神経症状)、画像診断(X線、MRI)、治療法(薬物療法、リハビリテーション、手術)。特に環軸椎亜脱臼が重度になると、脊髄症を引き起こし、四肢麻痺や呼吸不全に至る可能性があり、理学療法士はこれらのリスクを理解し、適切な評価と介入を行う必要があります。