膝前十字靱帯損傷と合併して損傷しやすい部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
膝前十字靭帯(ACL)損傷は、内側半月板損傷と高い頻度で合併することが広く知られています。これは、膝に特定の外力が加わった際に、ACLが断裂するとともに内側半月板にも損傷が及ぶためです。特に急激な方向転換や接触スポーツにおいて、この組み合わせが見られることが多いです。いわゆる「Unhappy triad(不幸の三徴候)」も、ACL損傷、内側側副靭帯損傷、内側半月板損傷の合併を指しており、この合併の頻度の高さを示唆しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 外側側副靭帯(LCL)の単独損傷は比較的稀であり、ACL損傷と同時に損傷することは内側側副靭帯に比べて少ないとされています。直接的な解剖学的・運動学的な関連性は低いことが多いです。正しくは:ACL損傷との合併は比較的少ないです。選びやすい理由:膝関節の靭帯損傷は多発する傾向があるため、他の靭帯も損傷しやすいと誤解する可能性があります。混同注意:外側半月板損傷との合併は報告されていますが、外側側副靭帯との同時損傷は一般的ではありません。
- 2. 後十字靭帯(PCL)と前十字靭帯(ACL)は、互いに拮抗する機能を持つため、単独損傷あるいは異なる機序での損傷が多いです。同時に両者が損傷するケースは、極めて強い外力による複合損傷の場合に限られ、'合併しやすい'とは言えません。正しくは:後十字靭帯の単独損傷あるいはACLとは異なる損傷機序で起こることが多いです。選びやすい理由:膝の主要な靭帯であるため、一緒に損傷する可能性を考えるかもしれませんが、損傷機序が異なります。混同注意:ACLとPCLは膝の安定性に不可欠な主要靭帯ですが、その損傷パターンは通常独立しています。
- 3. 後半月大腿靭帯は、後十字靭帯の付着部付近に位置し、後十字靭帯と半月板との関連が強い靭帯です。ACL損傷との直接的な合併は、一般的ではありません。正しくは:後半月大腿靭帯はPCLや半月板との関連が強く、ACL損傷との直接的な合併は稀です。選びやすい理由:半月板と名がつくため、半月板損傷と混同して選択する可能性があります。混同注意:後十字靭帯の安定性に関与する靭帯であり、ACL損傷とは直接的な関連が薄いです。
- 4. 膝蓋腱は、大腿四頭筋と脛骨粗面を結ぶ腱であり、ACLとは異なる解剖学的構造と機能を持っています。ACL損傷と膝蓋腱損傷が同時に発生することは非常に稀であり、通常は異なる外力によって損傷します。正しくは:膝蓋腱の損傷はACL損傷とは異なる機序で発生することが多く、合併は稀です。選びやすい理由:膝蓋腱は膝蓋骨周囲の安定性に関わるため、損傷を想像するかもしれませんが、ACLとは機能的に異なります。混同注意:膝蓋腱は伸展機構の一部であり、ACLは関節内安定性に関わるため、損傷のタイプが異なります。
- 5. 正解。膝前十字靭帯(ACL)の損傷は、内側半月板損傷と高頻度で合併することが知られています。特に急激な方向転換や外反・外旋ストレスが加わるスポーツ外傷では、ACLの断裂と同時に内側半月板も損傷しやすい傾向があります(Unhappy triadの一部)。内側半月板はACL損傷によって膝関節の不安定性が増大することで、繰り返しのストレスを受けやすくなるためとも考えられます。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:特になし。正答です。混同注意:外側半月板損傷もACL損傷と合併することはありますが、内側半月板損傷の方が頻度が高い傾向にあります。
国試ポイント
膝前十字靭帯(ACL)損傷と高頻度で合併する他の組織損傷について理解しているかが問われています。特にスポーツ外傷で発生しやすい膝関節の複合損傷の知識が重要です。
混同注意
外側半月板損傷もACL損傷と合併することはありますが、一般的に内側半月板損傷の方が頻度が高いとされています。また、外側側副靭帯と内側側副靭帯の区別も重要です。内側側副靭帯はACL、内側半月板と合わせてUnhappy triadを構成するため、合併しやすい部位として混同されやすいですが、本問の選択肢には含まれていません。
次に同じ論点が出たら
ACL損傷の診断において、MRIや関節鏡検査で他の合併損傷の有無を評価することが重要です。特に半月板損傷や軟骨損傷がないかを確認し、治療方針を決定します。
関連知識
Unhappy triad(不幸の三徴候)とは、前十字靭帯損傷、内側側副靭帯損傷、内側半月板損傷の3つの合併症を指します。外傷の機序によっては、これらの損傷が同時に発生することがあります。半月板損傷は、膝関節の不安定性によって徐々に発生する二次的な損傷としても知られています。