NICUに入院中の低出生体重児。在胎週数30週。腹臥位での姿勢を図に示す。この児に対するポジショニングとして適切な肢位はどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
低出生体重児のポジショニングでは、生理的な屈曲位を促し、過度な伸展や不自然な関節位を避けることが重要です。肩甲帯前方突出位は、肩甲骨の安定性を高め、上肢の発達を促進します。股関節内外転中間位は、股関節の安定性と自然な発達をサポートします。
選択肢ごとの解説
- 1. 低出生体重児は頭部伸展位を取りやすく、この姿勢を続けると反重力筋が未熟なため、首の伸筋が過剰に緊張しやすくなります。適切なポジショニングでは、頭部はわずかに屈曲位に保ち、正中位を維持することが重要です。正しくは:頭部軽度屈曲位、正中位選びやすい理由:一見すると頭部の位置は重要だが、伸展位は発達にとって好ましくない。混同注意:頭部のポジショニングの重要性は理解できるが、具体的な推奨姿勢を混同する可能性がある。
- 2. 低出生体重児は伸展位を取りやすく、体幹の伸展位は呼吸や消化器系の機能に影響を与える可能性があります。また、原始反射の亢進を招くこともあります。適切なポジショニングでは、体幹はわずかに屈曲位に保つことが望ましいです。正しくは:体幹軽度屈曲位選びやすい理由:体幹の安定性は重要だが、伸展位が最適だと誤解する可能性がある。混同注意:体幹の姿勢が呼吸や消化器系に与える影響について深く理解していないと間違える。
- 3. 正解。低出生体重児は発達上の理由から、肩甲帯が後退しやすい傾向があります。肩甲帯を前方に突出させるポジショニングは、肩甲帯の安定性を高め、上肢の適切な運動発達を促し、将来的な上肢機能の獲得に寄与します。これは、肩甲骨の外転・上方回旋位を促し、肩甲帯の柔軟性を維持するためにも重要です。選びやすい理由:肩甲帯の適切な位置は一見分かりにくいが、発達上重要である。混同注意:肩甲帯の動きや位置が、上肢の発達にどう影響するか理解していないと迷う。
- 4. 肩関節の外転位は、低出生体重児において肩関節の不安定性を引き起こしやすく、また上肢の緊張を促す可能性があります。適切なポジショニングでは、肩関節はわずかに屈曲・内転位で、体幹に近い位置に保持することが推奨されます。正しくは:肩関節軽度屈曲・内転位選びやすい理由:上肢の自由な動きを確保したいという考えから外転位を選んでしまう可能性がある。混同注意:肩関節の解剖学的な安定性や発達への影響について誤解している可能性がある。
- 5. 正解。低出生体重児の股関節は、新生児期に生理的屈曲・外転位を呈しますが、過度な外転位や内転位は関節に不必要なストレスを与えたり、発達上の問題を引き起こす可能性があります。内外転中間位は、股関節の安定性を保ちつつ、下肢の自然な位置を維持し、将来的な股関節の発達を促進するために適切なポジショニングです。これは股関節の脱臼予防や股関節の成長を促す上で重要です。選びやすい理由:生理的屈曲位が強調されるため、内外転中間位の重要性を見過ごすことがある。混同注意:新生児の生理的肢位と、ポジショニングにおける関節の理想的な位置を混同する可能性がある。
国試ポイント
低出生体重児の生理的特徴と発達段階を理解し、それに合わせた適切なポジショニングの原則を問う問題です。関節の安定性、筋肉の緊張、および将来の運動発達への影響を考慮することが求められます。
混同注意
低出生体重児は筋緊張が低く、伸展位を取りやすい傾向があるため、あえて屈曲位を促すようなポジショニングが推奨される点を理解していないと、一般的な成人に対するポジショニングの考え方と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
児の呼吸状態、筋緊張、不快感の有無、皮膚の状態などを観察し、必要に応じてポジショニングを調整します。また、発達評価に基づいて、刺激の導入や運動学習を促す介入を検討します。
関連知識
低出生体重児のポジショニングの目的(呼吸機能の改善、消化器機能の安定、睡眠の質の向上、筋緊張の調整、骨格の発達促進、神経発達の促進など)、発達段階に応じたポジショニングの調整、新生児の原始反射との関連。