出生時に出現していないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
対称性緊張性頸反射(STNR)は、多くの原始反射が出生時から認められるのに対し、生後数ヶ月が経過してから出現する反射です。具体的には生後4~6ヶ月頃に現れ、生後8~12ヶ月頃に統合されます。そのため、出生時にはまだ出現していません。他の選択肢であるモロ反射、ガラント反射、バビンスキー反射、緊張性迷路反射はすべて出生時から認められる原始反射です。
選択肢ごとの解説
- 1. モロ反射は出生時から見られる原始反射で、通常生後4~6ヶ月頃に消失します。大きな音や突然の体位変化で腕を広げて抱きつくような反応を示します。正しくは:モロ反射は出生時に出現します。選びやすい理由:原始反射全般に関する知識が曖昧な場合、特定の反射の出現時期を誤解しやすいです。混同注意:他の原始反射の出現時期や、消失する時期と混同することがあります。
- 2. ガラント反射は出生時から見られる原始反射で、通常生後2~4ヶ月頃に消失します。赤ちゃんの背中を脊柱に沿って刺激すると、刺激された側へ体幹を曲げる反応を示します。正しくは:ガラント反射は出生時に出現します。選びやすい理由:反射の名前だけ知っていても、具体的な出現時期や反応内容まで正確に記憶していない場合、誤って選択することがあります。混同注意:他の体幹に関わる反射や、より早期に消失する反射と混同する可能性があります。
- 3. バビンスキー反射は出生時から見られる原始反射で、通常1歳頃までに消失します。足の裏をかかとからつま先に向かって刺激すると、足の指が扇状に開く反応を示します。正しくは:バビンスキー反射は出生時に出現します。選びやすい理由:成人の場合、錐体路障害で陽性となるため、その知識と乳児期の正常な反応が混同し、乳児期には異常なものと誤解することがあります。混同注意:健常な乳児期の一時的な現象と、異常を示す病的なサインとを混同しやすいです。
- 4. 緊張性迷路反射(TLR)は出生時から見られる原始反射で、通常生後6ヶ月頃までに統合されます。腹臥位で頭部が屈曲すると屈筋緊張が高まり、背臥位で頭部が伸展すると伸筋緊張が高まる反射です。正しくは:緊張性迷路反射は出生時に出現します。選びやすい理由:他の姿勢反射と混同しやすく、原始反射であることや出現時期を誤解することがあります。特に名称が難しいため、学習がおろそかになりがちです。混同注意:非対称性緊張性頸反射(ATNR)や対称性緊張性頸反射(STNR)など、他の緊張性反射と混同しやすいです。
- 5. 正解。対称性緊張性頸反射(STNR)は、通常生後4~6ヶ月頃に出現し、生後8~12ヶ月頃までに統合される原始反射です。出生時にはまだ現れていないため、この選択肢が正解です。頸部屈曲により上肢が屈曲し下肢が伸展し、頸部伸展により上肢が伸展し下肢が屈曲する反応を示します。
国試ポイント
理学療法士国家試験では、主要な原始反射の名称、刺激方法、反応、そして特に「出現時期」と「消失(統合)時期」が頻繁に問われます。出生時に見られる反射と、後から出現する反射を区別できるかが重要です。また、反射が異常に残存した場合の臨床的意義も関連知識として問われることがあります。
混同注意
非対称性緊張性頸反射(ATNR)と対称性緊張性頸反射(STNR)の出現時期と消失時期は特に混同しやすいです。ATNRは出生時に出現し、STNRは生後数ヶ月後に出現するという違いを明確に理解する必要があります。また、バビンスキー反射が乳児期には正常な反応であるのに対し、成人で陽性の場合は異常を示すという点も混同しやすい知識です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各原始反射の名称と以下の点を正確に判断できるかを確認します。1. 出生時に出現しているか否か。2. 何ヶ月頃に消失(統合)するのか。3. 異常に残存した場合、どのような問題が生じるか。特に、非対称性緊張性頸反射と対称性緊張性頸反射の出現時期の違いを明確に理解しておくことが重要です。
関連知識
主な原始反射とその特徴:モロ反射(驚き、抱きつき)、探索反射・吸啜反射(摂食関連)、手掌把握反射・足底把握反射(把握)、非対称性緊張性頸反射(ATNR、首の向きで手足が非対称に動く)、緊張性迷路反射(TLR、頭部の位置で全身の緊張が変化)。これらすべての反射において、出現時期と統合時期を正確に把握することが重要です。原始反射は、乳児の生存や高次な運動発達の基盤となる動きを促す役割がありますが、適切な時期に統合されないと運動発達に影響を及ぼすことがあります。