頭部MRIで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
拡散強調画像(DWI)は、水の自由な拡散運動の変化を捉えることで、発症早期(数分〜数時間以内)の虚血性変化である細胞性浮腫を鋭敏に検出し、急性期脳梗塞の診断に最も有用なMRIシーケンスです。他の選択肢は、T2強調画像の信号特性、MRIとCTの脳幹部病変・急性期脳梗塞・急性期脳出血診断における役割について誤った記述となっています。
選択肢ごとの解説
- 1. T2強調画像では、水分の多い脳脊髄液は高信号(白く)に描出されます。正しくは:T2強調画像では脳脊髄液が高信号として表現される。選びやすい理由:T1強調画像と混同しやすい。T1強調画像では髄液は低信号。混同注意:T1強調画像、FLAIR画像
- 2. 頭部MRIは、CTに比べてコントラスト分解能が高く、特に脳幹や後頭蓋窩の病変の検出に優れています。CTでは骨によるアーチファクトで観察しにくいことがあります。正しくは:頭部CTと比較して、脳幹部の病変を識別しやすい。選びやすい理由:CTの一般的な利用頻度から、MRIの特異性が理解されていないと誤りやすい。混同注意:CTの得意分野(急性期出血、骨病変など)
- 3. 脳梗塞では細胞性浮腫が生じ、T2強調画像で早期から高信号域として描出されます。これは虚血による細胞内水分増加を反映しています。正しくは:T2強調画像では、脳梗塞による信号の変化(高信号)が認められる。選びやすい理由:超急性期では変化が少ないと誤解されることがあるかもしれないが、T2は発症後数時間で変化が出始める。混同注意:T1強調画像での脳梗塞の信号変化
- 4. 正解。拡散強調画像は、細胞性浮腫により水の自由な拡散が制限されるため、急性期の脳梗塞を早期(発症後数分~数時間)に高信号域として検出でき、診断に最も有用なモダリティの一つです。選びやすい理由:最も直接的に正しい記述であるため、選択しやすい。混同注意:PERFUSION画像(灌流画像)との鑑別、ただし拡散強調画像の方が急性期診断にはより重要。
- 5. 急性期の脳出血の診断には、頭部CTがMRIよりも迅速かつ明確に高吸収域として出血を描出するため、CTが第一選択となります。MRIでは出血の時期によって信号が変化し、診断が複雑になることがあります。正しくは:急性期の脳出血の診断において、頭部CTの方がMRIよりも有用性が高い。選びやすい理由:MRIは脳全体の病変検出に優れるという一般的な認識から、出血も得意と誤解しやすい。しかし、出血診断の特異性ではCTが勝る。混同注意:慢性期の脳出血や、出血以外の病変に対するMRIの優位性
国試ポイント
頭部MRIの各シーケンス(T1強調、T2強調、FLAIR、拡散強調など)の特性と、それらが様々な脳疾患(特に脳梗塞や脳出血)の診断においてどのように利用されるかを理解しているか問う問題です。MRIとCTの得意分野の違いを明確に把握しておくことが重要です。
混同注意
MRIの各シーケンス間の信号特性(例: T1とT2の髄液信号)、MRIとCTの適応疾患(例: 急性期脳出血と脳梗塞)
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各MRIシーケンス(T1、T2、FLAIR、DWI、GREなど)の基本的な原理と、それぞれの画像で脳脊髄液、脂肪、出血、浮腫、腫瘍、梗塞などがどのような信号強度で描出されるかを、正確に判断できるかを確認します。また、CTとMRIの診断的役割の違いを症状や病変の急性期・慢性期と関連付けて判断できるかも問われるでしょう。
関連知識
T1強調画像:水は低信号、脂肪は高信号。T2強調画像:水は高信号、脂肪は中等度信号。FLAIR画像:T2強調画像から髄液信号を抑制したもの。グラディエントエコー画像:出血や石灰化に高感度。脳梗塞の時間経過によるMRI信号変化、脳出血の時間経過によるMRI信号変化。