四肢の周径測定法として正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
四肢の周囲径測定は、浮腫や筋萎縮などの評価に用いられる重要な身体計測項目です。測定値の再現性と正確性を確保するためには、測定テープが皮膚にたるみなく、しかし食い込まずに密着していることが最も基本的な原則です。これにより、皮膚や皮下組織の厚み、筋肉のボリュームを正しく評価できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 四肢の周囲径測定では、通常、センチメートル(cm)単位で記録します。ミリメートル単位は細かすぎ、臨床的な意義が薄いことが多いです。正しくは:測定結果はセンチメートル(cm)単位で記録します。選びやすい理由:より詳細な記録が良いという印象から選んでしまうかもしれません。しかし、臨床では測定の簡便さと再現性、そして測定誤差を考慮すると、cm単位が適切です。混同注意:身長や体重など、他の身体計測項目と測定単位が混同される可能性があります。
- 2. 正解。四肢の周囲径測定では、測定部位の実際の大きさを正確に把握するため、測定テープが皮膚にたるみなく、しかし食い込まずに密着していることが重要です。これにより、測定値の再現性が高まります。
- 3. 衣服の上から測定すると、衣類の厚みやたるみが加わり、正確な周囲径を測定できません。季節に関わらず、正確な測定のためには皮膚に直接テープを当てる必要があります。正しくは:季節に関わらず、衣服を脱いで皮膚に直接測定テープを当てます。選びやすい理由:患者さんのプライバシーへの配慮や、寒さへの配慮から「服の上からで良いのでは」と考えてしまうかもしれません。混同注意:レントゲン撮影など、一部の検査で衣服の上から可能なものと混同される可能性があります。
- 4. 大腿の周囲径測定では、筋肉がリラックスした状態で、左右差や経時的変化を正確に比較するため、膝関節は伸展位(まっすぐ伸ばした状態)で測定するのが一般的です。屈曲させると大腿部の筋肉が収縮したり、形状が変化したりするため、正確な測定ができません。正しくは:大腿の周囲径を測る際は、膝関節を伸展位(まっすぐ伸ばした状態)にします。選びやすい理由:特定の角度で測定するという具体的な指示に、もっともらしさを感じてしまうかもしれません。また、一部の関節可動域測定では特定の角度を使用するため、混同する可能性があります。混同注意:膝関節の可動域測定や、特定の機能評価時の肢位と混同される可能性があります。
- 5. 下腿の周囲径測定も、大腿と同様に筋肉がリラックスし、左右差や経時的変化を正確に比較できる肢位で行うべきです。通常、仰臥位で足関節を自然な肢位にするか、座位で足を垂らすなど、下腿全体が自由に位置する状態で測定します。後面をベッドに密着させると、筋肉が圧迫されたり、位置が安定せず、正確な測定が困難になる可能性があります。正しくは:下腿の周囲径を測る際は、仰臥位で足関節を自然な肢位にするなど、筋肉がリラックスした状態で測定します。選びやすい理由:ベッドに密着させることで、測定が安定するという誤解から選んでしまうかもしれません。混同注意:褥瘡予防やポジショニングに関する知識と混同される可能性があります。
国試ポイント
この問題は、理学療法士が日常的に行う身体計測の基本的な手技に関する知識を問うものです。特に、測定の正確性と再現性を確保するための具体的な方法について理解しているかが試されます。単に測定するだけでなく、その測定がなぜその方法で行われるのか、その根拠を理解していることが重要です。
混同注意
他の身体計測(身長、体重、関節可動域など)の測定方法や記録単位、または特定の評価項目(例:浮腫の圧痕)との混同が考えられます。また、患者さんの快適さやプライバシーへの配慮と、正確な測定方法の優先順位が混同されることもあります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、周囲径測定の基準点設定(例:膝蓋骨上縁から〇cm上)、測定時の肢位(例:座位、仰臥位、立位)、測定部位の特定(例:最大周径部、特定の距離)、そして再現性を高めるための工夫(例:同じ測定者、同じ測定器)について問われる可能性があります。
関連知識
四肢の周囲径測定は、浮腫の評価(例:リンパ浮腫、心不全による浮腫)、筋萎縮の評価(例:廃用症候群、神経疾患)、そしてリハビリテーション介入の効果判定に広く用いられます。測定部位は、基準点(骨突起など)からの距離を明記し、常に同じ場所で測定することが極めて重要です。