リハビリテーション室で訓練中に意識を失った患者への対応としてまず行うのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
意識喪失は生命に関わる緊急事態であり、その原因を特定し適切な処置を開始するためには、まず患者のバイタルサイン(呼吸、脈拍、意識レベルなど)を迅速に確認することが最も重要です。これにより、心肺蘇生が必要か、気道確保が必要か、あるいはその他の対応が必要かを判断するための情報が得られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 意識喪失という緊急事態においては、まず患者さんの状態評価と一次救命処置の必要性を判断することが最優先です。医師への報告は重要ですが、その前に患者さんの安全確保と生命維持に必要な措置が求められます。正しくは:患者の容態を評価し、必要に応じて一次救命処置を開始した後、速やかに医師に報告する。選びやすい理由:緊急時に医師へ報告することは当然の行動と考えるため。混同注意:緊急連絡と一次救命処置の優先順位。
- 2. 意識を失った患者をすぐに移動させることは、頸椎損傷などの二次的な傷害を引き起こすリスクがあります。また、移動させるよりも先に現状でのバイタルサイン確認や気道確保が優先されます。正しくは:患者の安全を確保した上で、必要に応じて適切な体位にするが、まずは現状で状態を評価する。選びやすい理由:患者を安全な場所に移動させたいという善意から。混同注意:患者の体位変換と、緊急時の状態評価の優先順位。
- 3. 心臓マッサージ(胸骨圧迫)は心停止が確認された場合にのみ行う処置です。意識喪失の原因は心停止以外にも多岐にわたるため、心停止の有無を判断するためにまずバイタルサインを確認する必要があります。正しくは:心停止が確認された場合に限り、直ちに心臓マッサージを開始する。選びやすい理由:意識喪失=心停止という誤解や、心停止時の対応の重要性から。混同注意:意識喪失と心停止を直結させてしまうこと。
- 4. 正解。意識を失った患者への最初の対応は、患者の生命に関わる緊急度を判断するために、呼吸、脈拍、意識レベルなどのバイタルサインを迅速に確認することです。これにより、次の適切な処置(気道確保、心肺蘇生など)を決定できます。
- 5. AEDの使用は、心室細動や無脈性心室頻拍といった特定の不整脈による心停止が疑われる場合に限定されます。意識喪失の原因を特定するためにも、まずはバイタルサインを確認し、心停止の有無やその種類を判断することが先決です。正しくは:心停止の兆候があり、AEDの適応と判断された場合に準備し使用する。選びやすい理由:AEDが緊急時の重要な医療機器であるという認識から。混同注意:意識喪失と心停止、AEDの適応条件。
国試ポイント
臨床現場での緊急対応における初期評価の優先順位を問う問題です。特に、意識喪失時の対応として、闇雲に処置を開始するのではなく、まず患者の状態を正確に把握することの重要性を理解しているかが問われます。
混同注意
意識喪失と心停止を混同し、直ちに心臓マッサージやAED準備に走ってしまうこと。また、医師への報告や移動といった二次的な対応を優先してしまうこと。
次に同じ論点が出たら
同様の状況が出題された場合、まず「D(危険の確認)-R(反応の確認)-S(助けを呼ぶ)-A(気道確保)-B(呼吸の確認)-C(循環の確認)」という一次救命処置のフローを思い出し、初期評価のステップを確認しましょう。
関連知識
一次救命処置(BLS)の基本、傷病者発見時の対応プロトコル(D-R-S-ABC)、バイタルサインの重要性、意識レベルの評価(JCS, GCS)。