動脈血ガス分析の結果を表に示す。正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
動脈血ガス分析結果はpH 7.48(基準値 7.35-7.45)、PaCO2 28Torr(基準値 35-45Torr)、HCO3- 24mEq/L(基準値 22-26mEq/L)を示しています。pHが基準値より高く、PaCO2が基準値より低いことから、呼吸性アルカローシスと診断されます。HCO3-は基準範囲内であるため、代謝性の関与は主ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 呼吸性アシドーシスでは、PaCO2の上昇とpHの低下が見られますが、示されたデータではPaCO2が低く、pHは上昇しているため誤りです。正しくは:PaCO2の上昇とpHの低下選びやすい理由:pHとPaCO2の値が基準範囲から外れているため、アシドーシスやアルカローシスという表現に惑わされる可能性があります。混同注意:代謝性アシドーシスとの区別が難しいことがあります。
- 2. 代謝性アルカローシスでは、HCO3-の上昇とpHの上昇が見られますが、示されたデータではHCO3-が低いため誤りです。正しくは:HCO3-の上昇とpHの上昇選びやすい理由:pHが上昇しているため、アルカローシスという部分に注意が向くかもしれませんが、代謝性であるか呼吸性であるかをHCO3-とPaCO2で区別する必要があります。混同注意:呼吸性アルカローシスとの区別が難しいことがあります。
- 3. 示されたデータはpHが7.48、PaCO2が28Torrであり、これらは一般的な基準範囲(pH: 7.35-7.45, PaCO2: 35-45Torr)から逸脱しているため誤りです。正しくは:一般的な基準範囲内である選びやすい理由:もし値が基準範囲内であればこの選択肢が正しいことになりますが、明確に基準範囲を逸脱しています。混同注意:基準範囲を正確に覚えていないと、判断を誤る可能性があります。
- 4. 代謝性アシドーシスでは、HCO3-の低下とpHの低下が見られますが、示されたデータではpHが上昇しているため誤りです。正しくは:HCO3-の低下とpHの低下選びやすい理由:HCO3-が低い点はアシドーシスを想起させるかもしれませんが、pHがアルカローシスを示しているため、この診断は適切ではありません。混同注意:呼吸性アシドーシスとの区別が難しいことがあります。
- 5. 正解。PaCO2が28Torrと基準値(35-45Torr)より低く、pHが7.48と基準値(7.35-7.45)より高いことから、換気過剰による呼吸性アルカローシスと判断されます。HCO3-は24mEq/Lと基準範囲内であり、代謝性の関与は小さいと考えられます。選びやすい理由:pHが上昇していることからアルカローシスと判断できますが、呼吸性と代謝性のどちらであるかの判別にはPaCO2とHCO3-の変動方向と大きさを正確に評価する必要があります。混同注意:代謝性アルカローシスとの区別。両者ともにpHは上昇しますが、呼吸性ではPaCO2が低下し、代謝性ではHCO3-が上昇します。
国試ポイント
動脈血ガス分析の解釈能力が問われています。pH、PaCO2、HCO3-の基準値を覚え、それぞれの変動が呼吸性または代謝性のアシドーシス・アルカローシスのいずれを示すかを正確に判断する知識が必要です。
混同注意
呼吸性アルカローシスと代謝性アルカローシス。両者ともpHは上昇しますが、原因となる因子(PaCO2またはHCO3-)が異なります。
次に同じ論点が出たら
この患者の呼吸性アルカローシスの原因を特定するために、さらに問診や身体所見、他の検査結果を総合的に評価する必要があります。例えば、呼吸数や深さ、意識レベル、体温、基礎疾患の有無などを確認します。
関連知識
代償性変化として、呼吸性アルカローシスが慢性化すると、腎臓からのHCO3-排泄が増加してHCO3-が低下することがあります。また、換気過剰の原因として、不安、痛み、発熱、脳疾患、低酸素血症などが挙げられます。