関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
画像の選択肢を選ぶと答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
画像は肩関節の屈曲を測定している様子を表しており、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準における関節可動域測定法では、自動運動と他動運動の両方を測定することが原則とされているため、選択肢2と5が正しいです。これにより、患者の実際の運動能力と関節の構造的な可動性の両方を評価できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 「最終可動域は他動運動で決定する」という記述は、最終可動域の評価において他動運動も重要である一方で、自動運動の測定も必須であり、どちらか一方のみで決定するわけではないため誤りです。自動運動で可能な範囲をまず評価し、その後他動運動でさらに可動域があるか、制限因子があるかを評価します。正しくは:最終可動域は自動運動と他動運動の両方で評価し、特に他動運動は関節の構造的な可動性の限界を示す。選びやすい理由:他動運動が関節の真の可動能力を示すと考えられがちであるため。混同注意:自動運動と他動運動の測定意義の区別。
- 2. 正解。関節可動域測定では、自動運動と他動運動の両方を測定することが基本原則です。自動運動は患者自身の筋力や協調性による可動域を、他動運動は関節包や靭帯、筋などの構造的要因による最大限の可動域を評価するために必要です。選びやすい理由:特になし。基本原則のため。
- 3. 関節可動域の評価では、原則として測定部位の露出が必要であり、衣服の上からの測定は正確性を欠くため誤りです。衣服が運動を制限したり、ランドマークが見えにくくなったりする可能性があります。正しくは:関節可動域測定は、原則として測定部位を露出して行い、正確なランドマークの同定と運動の妨げがないようにする。選びやすい理由:患者のプライバシーや抵抗感を考慮し、衣服の上から測定したいという意図が働くため。混同注意:測定時の患者への配慮と測定の正確性の優先順位。
- 4. 画像は肩関節の屈曲(または挙上)を示しており、肩甲骨は肩関節の運動に伴って動きます。そのため、肩甲骨の動きを固定せずに測定することは、複合的な運動(肩甲上腕リズム)を含んだ測定となり、純粋な肩関節の可動域を評価するものではないため、誤りです。純粋な肩関節の可動域を測る場合は、肩甲骨を固定することが多いです。正しくは:肩関節の純粋な運動を測定する際は、肩甲骨の動きを固定して測定する。選びやすい理由:肩の挙上という日常動作では肩甲骨も動くため、その動きを含んだ可動域を測定することが自然だと考えられるため。混同注意:肩甲上腕関節の運動と、肩甲帯を含む複合的な肩関節運動の区別。
- 5. 正解。関節可動域測定は、可能な限り他の関節の動きが代償とならないように、測定部位以外の関節を固定することが重要です。これにより、測定している関節の純粋な可動域を正確に評価できます。選びやすい理由:特になし。測定の基本原則のため。
国試ポイント
関節可動域測定法の基本原則と、各関節の測定肢位・軸・可動域の正常値を正確に覚えること。
混同注意
自動運動と他動運動の区別、および測定器具(ゴニオメーター)の使用方法を混同しやすい。また、各関節の基準肢位や測定軸を他の関節と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次回同様の問題が出た際は、提示された測定肢位や運動方向が、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準に沿っているか、そして自動運動・他動運動のどちらを測定しているかに注目して判断します。
関連知識
ゴニオメーターの適切な当て方、各関節の測定手順、主要な関節の正常可動域の数値(例:肩関節屈曲180度、肘関節屈曲145度など)、関節可動域制限の原因(軟部組織の短縮、骨性のブロックなど)。