44歳の女性。関節リウマチ。エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。身の回りのことはできるが、仕事は行えない。この患者のSteinbrockerの分類はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Steinbrockerの分類は、関節リウマチの病期(ステージ)と機能分類(クラス)を評価するものです。下図のエックス線写真では、関節の著しい骨破壊や骨性強直が確認できるため、病期は『ステージⅣ』に該当します。患者の機能状態については、「身の回りのことはできるが、仕事は行えない」と記述されており、これは機能分類の『クラスⅢ』(自己管理動作は可能だが、通常の職業活動が困難または不可能)に合致します。したがって、正しい組み合わせはステージⅣ、クラスⅢです。
選択肢ごとの解説
- 1. 画像所見はステージⅣ(骨性強直または著しい骨破壊)を示しており、また仕事ができない機能状態はクラスⅢに該当します。したがって、この選択肢は誤りです。正しくは:ステージⅣ、クラスⅢ選びやすい理由:ステージⅡやクラスⅡは比較的軽度な分類であり、初期段階を想像しやすいが、画像所見や臨床症状を総合的に判断する必要がある。混同注意:他の炎症性関節疾患の分類や、Steinbrocker分類の各ステージ・クラスの内容が混同している可能性がある。
- 2. 画像所見はステージⅣ(骨性強直または著しい骨破壊)を示しています。機能分類はクラスⅢで合っていますが、病期分類が異なります。正しくは:ステージⅣ、クラスⅢ選びやすい理由:機能分類の「クラスⅢ」は合っているため、病期分類を間違えるとこの選択肢を選びがち。ステージⅢは軟骨・骨破壊と関節変形が特徴だが、画像ではより重度な強直・著しい破壊が見られるため、この患者には当てはまらない。混同注意:Steinbrocker分類の病期(ステージ)と機能分類(クラス)の基準が曖昧になっている可能性。
- 3. 画像所見はステージⅣを示しています。また、仕事が行えない状態はクラスⅢに該当し、クラスⅣ(身の回りのこともほぼできない)よりも軽度です。したがって、この選択肢は誤りです。正しくは:ステージⅣ、クラスⅢ選びやすい理由:クラスⅣは最も重度な機能障害を示すため、重症患者の場合に選びやすい。しかし、この患者は「身の回りのことはできる」とあるためクラスⅣではない。ステージⅢも画像所見と一致しない。混同注意:病期と機能分類の重症度のレベルが混同している可能性。
- 4. 正解。下図のエックス線写真では、関節の著しい破壊や骨性強直が認められ、これはSteinbrocker分類のステージⅣに該当します。また、「身の回りのことはできるが、仕事は行えない」という患者の生活状況は、機能分類のクラスⅢ(仕事はできないが、身の回りのことは概ね可能)に正確に合致します。したがって、この組み合わせが正しいです。
- 5. エックス線写真の所見はステージⅣで正しいですが、患者は「身の回りのことはできる」と説明されており、これはクラスⅢに該当します。クラスⅣは「身の回りのこともほぼできない」状態を指すため、機能分類が誤っています。正しくは:ステージⅣ、クラスⅢ選びやすい理由:病期分類の「ステージⅣ」は正しいため、機能分類も重度なクラスⅣを選んでしまいやすい。しかし、患者の具体的な生活状況を正確に判断する必要がある。混同注意:病期と機能分類の基準を混同しているか、患者の具体的な機能レベルを正確に読み取れていない可能性。
国試ポイント
この問題は、関節リウマチの病期と機能分類に関する基本的な知識、特にSteinbrocker分類の内容を理解しているか、そして与えられた画像所見と臨床情報を正確に統合して判断できるかを問うものです。画像所見から病期を特定し、患者の日常生活動作(ADL)から機能分類を導き出す能力が重要です。
混同注意
Steinbrocker分類の病期(ステージ)と機能分類(クラス)の基準が混同されやすい。特に、各ステージ・クラスの境界線や具体的な症状・画像所見との対応を正確に把握していないと誤答につながる。また、他の疾患の重症度分類と混同することもある。
次に同じ論点が出たら
次回、同様の論点が出題された場合、まず画像所見から病期(ステージ)を正確に判断できるかを確認する。次に、患者のADLや社会活動能力に関する記述から機能分類(クラス)を正確に判断できるかを確認する。それぞれの分類基準を確実に記憶しているか、そして問題文の情報を正確に読み取れているかが鍵となる。
関連知識
Steinbrocker分類は関節リウマチの病状を客観的に評価する上で重要である。病期は画像所見を基に炎症の程度や関節破壊の進行度を示す。機能分類は患者のADLや社会生活への影響度を示す。それぞれの段階の具体的な基準(例:ステージI:骨破壊なし、ステージII:軽度骨破壊、ステージIII:軟骨・骨破壊と関節変形、ステージIV:骨性強直など。クラスI:制限なし、クラスII:通常の活動可能だが不快感、クラスIII:自己管理可能だが仕事困難、クラスIV:自己管理も困難)を詳細に理解しておく必要がある。