胸郭出口症候群で陽性となる検査はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Roosテストは、両上肢を肩関節90度外転・外旋、肘関節90度屈曲位で挙上し、3分間ゆっくりと開閉運動(グーパー)を繰り返すことで、腕の重さ、だるさ、痛み、しびれといった症状が誘発されるかを確認する検査です。これにより、胸郭出口部で腕神経叢や鎖骨下血管が圧迫されているかを評価します。陽性であれば、胸郭出口症候群の可能性が高いと判断されます。
選択肢ごとの解説
- 1. Jerkテストは、肩関節の後方不安定症を評価するための検査であり、胸郭出口症候群とは直接的な関連がありません。正しくは:このテストは肩関節の後方不安定性を評価する。選びやすい理由:関節の評価テストという点で他の選択肢と似ているため、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:肩関節の他の不安定性テスト(Apprehensionテストなど)と混同することがあります。
- 2. Kempテストは、腰部の椎間関節症や神経根刺激症状を評価する検査であり、胸郭出口症候群とは関連がありません。正しくは:このテストは腰部椎間関節の障害や神経根症状を評価する。選びやすい理由:体幹のテストであるため、症状の鑑別点として選択肢に挙げられると迷う可能性があります。混同注意:ValsalvaテストやSlumpテストなど、神経症状を誘発する他の検査と混同することがあります。
- 3. McMurrayテストは、膝関節の半月板損傷を評価するための検査であり、胸郭出口症候群とは関連がありません。正しくは:このテストは膝関節半月板の損傷を評価する。選びやすい理由:知名度の高い整形外科テストの一つであるため、知っている検査名に安易に飛びついてしまう可能性があります。混同注意:Lachmanテスト(ACL損傷)やDrawerテスト(靭帯損傷)など、膝関節の他の検査と混同することがあります。
- 4. 正解。Roosテスト(両上肢挙上開閉テスト)は、胸郭出口症候群の診断に用いられる代表的な誘発テストの一つです。このテストでは、腕を挙上した状態で手を握ったり開いたりする動作を続けることで、腕の重だるさやしびれ、痛みなどの症状が誘発されるかを確認します。これは、腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫されることで症状が出現するためです。
- 5. Thomsenテストは、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の評価に用いられるテストであり、胸郭出口症候群とは関連がありません。正しくは:このテストは上腕骨外側上顆炎を評価する。選びやすい理由:上肢に関連する検査であるため、胸郭出口症候群と部位が近いことから迷う可能性があります。混同注意:Phalenテスト(手根管症候群)やFinkelsteinテスト(ドケルバン病)など、他の上肢の絞扼性神経障害や腱鞘炎のテストと混同することがあります。
国試ポイント
特定の疾患に対する診断的検査の知識を問う問題形式です。胸郭出口症候群は、理学療法士が評価・介入することが多い疾患であるため、その評価方法に関する知識は必須とされます。
混同注意
胸郭出口症候群の他の誘発テスト(Adsonテスト、Wrightテスト、Edenテストなど)や、上肢の他の絞扼性神経障害(手根管症候群、肘部管症候群など)や頸椎症性神経根症との鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、疾患名とそれに関連する代表的な検査法を結びつける知識が重要です。また、問題文で具体的な症状や所見が提示された場合には、どの検査が最も適切で、どのような陽性所見が出るかを、病態生理と合わせて考える必要があります。
関連知識
胸郭出口症候群は、斜角筋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群といった病態に分類され、腕神経叢や鎖骨下動静脈の圧迫によって上肢のしびれ、痛み、脱力感などの症状を呈します。Roosテスト以外にも、Adsonテスト(斜角筋)、Wrightテスト(小胸筋)、Edenテスト(肋鎖間隙)など、圧迫部位を特定するための誘発テストがあります。