筋力増強運動で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
閉鎖運動連鎖エクササイズ(CKC)は、体重支持下や末端部が固定された状態で実施されるため、複数の関節と多くの筋群が同時にかつ協調的に活動します。この特性から、単一の筋だけでなく、協調性を含めた全身的な筋力強化や機能的な動きの獲得に適しているため、選択肢4が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 等速性運動は、運動中の速度を一定に保つために、専用の機器(等速性運動装置)を用いて行われるのが一般的です。徒手による抵抗では、正確な運動速度を一定に保つことは非常に困難です。正しくは:等速性運動は、専用の機器を用いて運動速度を一定に保ちながら行われる。選びやすい理由:徒手による抵抗運動も筋力増強の手段であるため、運動の種類と実施方法が混同されやすい可能性があります。混同注意:等張性運動における徒手抵抗運動や、徒手筋力検査(MMT)の抵抗と混同しやすいです。
- 2. 等尺性運動(等尺性収縮)は、筋肉が収縮してもその長さが変化せず、結果として関節運動が起こらない運動形式を指します。関節の動きを伴うのは主に等張性運動や等速性運動です。正しくは:等尺性収縮を伴う運動では、関節の動きはみられない。選びやすい理由:多くの一般的な運動は関節運動を伴うため、この記述が正しいと誤解しやすいかもしれません。混同注意:等張性運動(関節運動を伴う)と混同しやすいです。
- 3. 等張性運動は、筋肉の張力がほぼ一定に保たれながら関節運動を伴う形式です。関節運動の速度を一定に保つ、あるいは調整するのは等速性運動の特徴であり、等張性運動の主要な特徴ではありません。正しくは:等速性運動を行う際は、関節が動く速度を意識的に調整する。選びやすい理由:運動を効果的に行う上で速度のコントロールは重要であるという認識から、この記述が正しいと感じる可能性があります。また、等速性運動の特徴と混同しやすいです。混同注意:等速性運動と混同しやすいです。
- 4. 正解。閉鎖運動連鎖エクササイズ(Closed Kinetic Chain Exercise: CKC)は、手足の末端が地面や壁などに固定された状態で行われるため、複数の関節とそれに付随する多くの筋肉が協調して働くことを促します。これにより、全身の安定性や機能的な動きの向上に効果的で、複数の筋肉群を同時に強化するのに適しています。
- 5. 開放運動連鎖エクササイズ(Open Kinetic Chain Exercise: OKC)は、手足の末端が自由に動かせる状態で行われる運動です。四肢の末端部が固定された状態で行われるのは、閉鎖運動連鎖エクササイズの特徴です。正しくは:開放運動連鎖エクササイズは、四肢の末端部が自由に動かせる状態で行う。選びやすい理由:閉鎖運動連鎖エクササイズと開放運動連鎖エクササイズの定義が曖昧な場合、互いの特徴を混同して選びやすい可能性があります。混同注意:閉鎖運動連鎖エクササイズと混同しやすいです。
国試ポイント
筋力増強運動の基本的な分類(等尺性、等張性、等速性)と、運動連鎖の概念(開放運動連鎖、閉鎖運動連鎖)に関する正確な知識が問われています。それぞれの運動形式の定義、特徴、実施方法、そして得られる効果を区別できるかが重要です。特に、運動連鎖については、末端が固定されているか否かという基本的な違いと、それによって生じる筋活動パターンや機能的側面の差を理解しているかを問う問題が頻出します。
混同注意
等尺性運動と等張性運動、等張性運動と等速性運動、開放運動連鎖と閉鎖運動連鎖のそれぞれの特徴や違いが混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、それぞれの運動形式がどのような治療目標や病態に適しているか、具体的な運動例が挙げられたときにそれがどの運動形式に当たるかを判断できるか、といった応用的な知識が問われる可能性があります。また、個々の運動形式における運動生理学的変化についても確認しておくと良いでしょう。
関連知識
PNF(固有受容性神経筋促通法)における抵抗運動、徒手筋力検査(MMT)、筋力増強の原理(過負荷の原理、特異性の原理など)、SAIDの原則、筋収縮様式(求心性、遠心性)