2010年に定められたアメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会との合同による関節リウマチ分類基準に含まれないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
2010年のACR/EULAR関節リウマチ分類基準は、早期診断と早期治療の促進を目的として策定されました。この基準は、罹患関節数と部位、血清学的項目(リウマトイド因子、抗CCP抗体)、炎症マーカー(CRP、ESR)、および症状の持続期間の4つのカテゴリーに基づいたスコアリングシステムを採用しています。選択肢1、2、3、5はこれらのカテゴリーに直接含まれる評価項目です。一方、朝のこわばりは、関節リウマチの症状として非常に典型的ではありますが、この2010年分類基準では直接的なスコアリング項目としては含まれていません。これは1987年の旧ACR分類基準には含まれていました。したがって、2010年基準に含まれないのは「朝のこわばり」です。
選択肢ごとの解説
- 1. 2010年のACR/EULAR分類基準では、C反応性タンパク(CRP)や赤血球沈降速度(ESR)といった炎症マーカーの数値が高値であることは重要な評価項目の一つであり、スコアリングに含まれます。
- 2. リウマトイド因子(RF)や抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体などの自己抗体の存在は、2010年のACR/EULAR分類基準において診断スコアに大きく影響する項目です。
- 3. 症状の持続期間も2010年のACR/EULAR分類基準における評価項目の一つであり、「6週以上」の場合にスコアが加算されます。
- 4. 正解。朝のこわばりは関節リウマチの代表的な症状ですが、2010年のACR/EULAR分類基準のスコアリング項目としては直接的に含まれていません。これは1987年のACR分類基準に含まれていた項目です。選びやすい理由:これは関節リウマチの非常に特徴的な症状であるため、重要な診断基準の一つであると誤解しやすいです。多くの患者が訴える症状であるため、基準に含まれると推測してしまうかもしれません。混同注意:1987年のACR分類基準と2010年のACR/EULAR分類基準との違いを混同していると、含まれるものとして選択してしまう可能性があります。
- 5. 腫脹または圧痛のある関節の数は、2010年のACR/EULAR分類基準において最も重要な評価項目の一つであり、その数と部位に応じてスコアが加算されます(例:1大関節のみ、2~10大関節、1~3小関節など)。
国試ポイント
2010年ACR/EULAR分類基準の具体的な評価項目を正確に理解しているかを問う問題です。特に、旧基準(1987年ACR分類基準)との違いを理解しているか、または症状と診断基準を混同していないかを確認する意図があります。
混同注意
朝のこわばりは関節リウマチの非常に特徴的な症状であり、臨床現場での問診で重要視されるため、分類基準にも含まれると誤解しやすい点です。また、1987年のACR分類基準には含まれていたため、新旧の基準を混同してしまうと正答を導き出せません。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、関節リウマチの疾患活動性評価指標(DAS28、SDAI、CDAIなど)や、早期関節リウマチの診断マーカー(ACPAなど)について問われる可能性があります。また、変形性関節症など他の関節疾患との鑑別における症状の違いもポイントとなるでしょう。
関連知識
1987年ACR分類基準:朝のこわばり、関節炎のパターン、関節炎の対称性、皮下結節、血清リウマトイド因子、X線変化の7項目。うち4項目以上でRAと分類。 2010年ACR/EULAR分類基準:活動性関節炎が1か所以上ある患者が対象。スコアが6点以上で確定診断。 * 関節炎分布(0~5点):多数の小関節、1~3小関節、大関節など * 血清学的検査(0~3点):RF/抗CCP抗体陰性、低陽性、高陽性 * 急性期反応物質(0~1点):CRP/ESR正常、異常 * 罹病期間(0~1点):6週未満、6週以上 理学療法士としては、これらの基準を理解し、診断に寄与する症状や所見を把握することが重要です。