Duchenne型筋ジストロフィーにみられる症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Duchenne型筋ジストロフィーはX連鎖劣性遺伝性の筋疾患で、ジストロフィンの欠損により筋細胞が変性・壊死します。その結果、特に腓腹筋などの下腿三頭筋において、筋線維が脂肪や結合組織に置き換わり、あたかも筋肉が肥大しているように見える『仮性肥大』が特徴的な症状として知られています。他の選択肢は、Duchenne型筋ジストロフィーでは通常見られない症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. Duchenne型筋ジストロフィーでは、通常、足関節の底屈拘縮により尖足変形が見られます。踵足変形はまれです。正しくは:Duchenne型筋ジストロフィーでは、尖足変形がよく見られる。選びやすい理由:筋ジストロフィーでは足部の変形が起こりやすいため、何らかの変形は正しいように感じてしまうかもしれない。混同注意:尖足変形と踵足変形。
- 2. Duchenne型筋ジストロフィーは主に骨格筋に影響を及ぼす疾患であり、視力低下は主要な症状ではありません。正しくは:Duchenne型筋ジストロフィーは視力低下とは直接関係しない。選びやすい理由:全身性疾患なので他の部位にも症状が出る可能性を考えてしまう。混同注意:筋ジストロフィーと他の神経筋疾患(例:ミトコンドリア病などで眼症状が見られる場合がある)との混同。
- 3. Duchenne型筋ジストロフィーは運動神経細胞や末梢神経、感覚神経には直接的な障害を引き起こさないため、深部感覚障害は典型的ではありません。筋そのものの変性疾患です。正しくは:Duchenne型筋ジストロフィーでは深部感覚障害は通常見られない。選びやすい理由:神経系の病気なので感覚障害も伴うと誤解しやすい。混同注意:筋疾患と神経疾患(脊髄小脳変性症や末梢神経障害など)との混同。
- 4. Babinski反射陽性は錐体路障害(中枢神経系の障害)を示唆するものであり、Duchenne型筋ジストロフィーは筋細胞自体の変性が原因であるため、典型的には見られません。正しくは:Duchenne型筋ジストロフィーではBabinski反射は通常陰性である。選びやすい理由:筋肉の麻痺や弱さが見られるため、神経系の問題だと誤解し、中枢神経系の徴候を選んでしまう。混同注意:筋疾患と中枢神経疾患。
- 5. 正解。Duchenne型筋ジストロフィーの典型的な初期症状の一つに、筋組織が脂肪や線維組織に置き換わることによる下腿三頭筋(特に腓腹筋)の仮性肥大があります。これは筋力低下にもかかわらず、筋が太く見える現象です。
国試ポイント
Duchenne型筋ジストロフィーの代表的な症状と、筋疾患と神経疾患の鑑別ポイントが問われています。疾患の病態生理に基づいた特徴的な身体所見を理解しているかが重要です。
混同注意
筋ジストロフィーは筋疾患であり、神経疾患(中枢神経障害や末梢神経障害)と混同されやすい。それぞれの疾患でみられる症状(例:反射異常、感覚障害など)の違いを理解しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
筋ジストロフィーの病型ごとの特徴的な症状や、合併症について問われる可能性がある。また、類似する他の神経筋疾患との鑑別点を問う問題も出題されるだろう。
関連知識
Duchenne型筋ジストロフィーのその他の特徴:Gowers徴候、尖足変形、心筋症の合併、呼吸筋麻痺、知的障害。Becker型筋ジストロフィーとの鑑別。