運動軸が1つの関節はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
距腿関節は足関節の背屈・底屈を担う蝶番関節であり、単一の横軸周りに運動します。下橈尺関節は前腕の回内・回外を担う車軸関節であり、単一の縦軸周りに運動します。これらはいずれも運動軸が一つである関節の典型例です。
選択肢ごとの解説
- 1. 顎関節は、開閉口運動(蝶番運動)に加え、咀嚼に必要な前方・後方滑走運動や側方滑走運動も行います。これらは複数の運動軸が存在することを示しています。正しくは:顎関節は、蝶番関節と平面関節の両方の性質を併せ持つ複合関節であり、複数の運動軸を有します。選びやすい理由:開閉口運動が主であるため、蝶番関節のように単軸だと誤解しやすいです。混同注意:単軸性の蝶番関節や、球関節のように全ての方向へ動く関節と混同しやすいですが、顎関節は両者の中間の特性を持ちます。
- 2. 正解。距腿関節は、足関節の背屈と底屈のみを主に行う蝶番関節(らせん関節)であり、一つの運動軸(横軸)を中心とした動きに限られます。
- 3. 椎間関節は、脊椎の屈曲・伸展、側屈、回旋といった多様な運動を可能にする滑走性の関節であり、複数の運動軸が存在します。個々の関節の動きは小さいですが、脊柱全体としては多軸的な運動に関与します。正しくは:椎間関節は、平面関節の一種であり、脊椎の様々な運動に寄与するため、単一の運動軸ではありません。選びやすい理由:個々の関節の可動域が小さいため、動きが限定的であると錯覚し、単軸と誤解することがあります。混同注意:他の多軸関節(例:股関節)のような明確な球体ではないため、運動軸の概念が掴みにくいですが、滑走運動自体は多方向の動きを含みます。
- 4. 腕橈関節は、肘関節の一部として屈曲・伸展(横軸)に関わるだけでなく、前腕の回内・回外(縦軸)にも関与します。したがって、少なくとも2つの運動軸を持ちます。正しくは:腕橈関節は、上腕骨と橈骨の間で、肘関節の屈伸運動と前腕の回旋運動の両方に関わるため、多軸性です。選びやすい理由:肘関節全体を蝶番関節(単軸)と誤認すると、腕橈関節も単軸だと考えてしまう可能性があります。混同注意:純粋な蝶番関節である腕尺関節と混同しやすく、腕橈関節が回旋運動にも関わる点を忘れがちです。
- 5. 正解。下橈尺関節は、前腕の回内・回外運動のみを行う車軸関節(旋回関節)であり、長軸(縦軸)を中心とした単一の運動軸を有します。
国試ポイント
この問題は、各関節の構造と機能、特に運動軸の数を正確に理解しているかを問うものです。関節の種類(蝶番関節、車軸関節、平面関節、楕円関節、球関節など)とそれぞれの運動軸の数がポイントとなります。
混同注意
蝶番関節(単軸)と楕円関節(二軸)、車軸関節(単軸)と顆状関節(二軸)の区別が曖昧だと誤解しやすいです。また、複合関節の一部である関節(例:肘関節の一部としての腕橈関節)の運動軸を考える際に、全体像と個別の関節の機能が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、まず関節の種類(形態)を特定し、その関節がどのような動き(機能)を許容するかを考え、それらの動きが何本の軸を中心に起こるかを判断します。特に、複合関節の一部である場合は、その関節単独での運動軸を正しく見極める必要があります。
関連知識
単軸性関節には、蝶番関節(例:指節間関節、腕尺関節)と車軸関節(例:上・下橈尺関節、環軸関節)があります。二軸性関節には、楕円関節(例:橈骨手根関節)と鞍関節(例:母指CM関節)があります。多軸性関節には、球関節(例:肩関節、股関節)があります。