心電図波形(別冊No. 1)を別に示す。特徴として正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心電図波形を観察すると、通常のリズムに混じって、幅が広く、形が異常で、先行するP波を伴わないQRS波が散発的に出現しています。これは心室からの異常興奮によって生じる心室期外収縮(PVC)の典型的な特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 心電図上、QRS波形が先行するP波を伴わず、RR間隔も不整な異常波形が見られるため、洞調律とは言えません。洞調律は規則的なP波に続いてQRS波が一定間隔で出現するリズムです。正しくは:洞調律が認められない。選びやすい理由:多くの心電図の基本が洞調律であるため、正常に見える部分があることから誤って選択してしまう可能性があります。しかし、異常な波形が混在している点を見落とすべきではありません。混同注意:正常洞調律
- 2. 持続性頻拍とは、頻拍が30秒以上続くか、血行動態が破綻している状態を指しますが、この心電図では異常波形が散発的に出現しているのみで、持続的な頻拍の状態ではありません。心拍数も正常範囲内です。正しくは:持続性頻拍の状態にはない。選びやすい理由:期外収縮の出現により心拍リズムが乱れることで、頻拍と誤認する可能性があります。しかし、持続的な高心拍数ではないことに注意が必要です。混同注意:散発性期外収縮と持続性頻拍
- 3. ST部分は基線と同じ高さか、わずかにずれている程度であり、有意なST上昇は確認されません。ST上昇は心筋虚血や心筋梗塞の兆候であり、基線から2mm以上の著しい上昇を指します。正しくは:ST部分の上昇は確認されない。選びやすい理由:一部のQRS波形が通常とは異なり、T波が逆転しているように見えるため、ST部分の変化と混同する可能性があります。しかし、ST上昇の診断基準を満たしていません。混同注意:ST上昇(心筋虚血、心膜炎など)
- 4. 正解。心電図波形中に、幅が広く、奇形なQRS波がP波を伴わずに早期に出現し、その後に代償性休止を伴う波形が複数回認められます。これは心室からの異常な興奮によって生じる心室期外収縮の典型的な特徴です。選びやすい理由:(正答のため該当なし)混同注意:(正答のため該当なし)
- 5. Ⅲ度房室ブロックでは、P波とQRS波が全く関連なく出現し、P-R間隔が不規則で一定しません。この心電図ではP波に続いてQRS波が形成されている正常な部分も認められ、P波とQRS波の間に完全な関連の消失は見られないため、Ⅲ度房室ブロックではありません。正しくは:Ⅲ度の房室ブロックの状態にはない。選びやすい理由:期外収縮による不規則なリズムを、房室ブロックによるP波とQRS波の関連性の異常と誤解する可能性があります。しかし、P波とQRS波の関連性を注意深く見ることが重要です。混同注意:期外収縮による不整脈と房室ブロック
国試ポイント
心電図の基本的な判読能力、特に期外収縮の鑑別点が問われています。正常な心拍と異常な心拍を区別し、異常な心拍が心房性か心室性かを判別する知識が必要です。
混同注意
心房性期外収縮(APC)はP波の形が正常洞調律と異なり、QRS波は通常幅であることが多いですが、心室期外収縮(PVC)はP波を伴わず、QRS波幅が広く、形も通常とは大きく異なるため区別が必要です。また、心室頻拍(VT)や心室細動(VF)などの致死性不整脈との鑑別も重要です。VTはPVCが3拍以上連なった状態を指します。
次に同じ論点が出たら
今後同様の心電図問題が出題された場合は、まずP波の有無と形、QRS波の幅と形、そしてR-R間隔の規則性を確認し、正常洞調律からの逸脱がないかを判断します。異常波形があれば、その発生源(心房、房室接合部、心室)を特定するための特徴的な所見(P波、QRS波の形態、先行P波の有無など)に注目して判断します。
関連知識
期外収縮には心房性期外収縮、接合部性期外収縮、心室期外収縮があります。それぞれP波の有無、QRS波の幅と形、期外収縮後の代償性休止の有無で鑑別します。心室期外収縮では通常、完全代償性休止が見られます。