Danielsらの徒手筋力テストにおける肩甲下筋のテストで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
選択肢3は、患者が腹臥位で肩関節が90度外転位、肘関節90度屈曲位をとり、前腕を下垂させた状態から、検査者が前腕に抵抗を加えながら外旋方向に力を加えることで肩甲下筋の筋力を評価しています。肩甲下筋は肩関節の内旋作用を担うため、外旋方向への抵抗は最も適切な評価方法です。
選択肢ごとの解説
- 1. この肢位は、腹臥位で肩関節外転90度、肘関節屈曲90度で前腕を上方に持ち上げる動作に対する抵抗を加えており、これは主に肩関節の伸展・外転、または上腕三頭筋の評価に関わる可能性があり、肩甲下筋の評価肢位としては不適切です。正しくは:この肢位で、肩関節内転・伸展に対する抵抗であれば広背筋などを評価することになります。選びやすい理由:上腕の動きを評価しているように見えるため、肩関節周囲の筋の評価であると勘違いしやすい。混同注意:広背筋や大円筋などの肩関節伸展・内転作用を持つ筋の評価。
- 2. この肢位は、座位で肩関節屈曲位で前腕を水平に保ち、検査者が肩甲骨の内側縁に抵抗を加えて後方へ引いているように見えます。これは、前鋸筋など肩甲骨の安定性を評価する可能性があり、肩甲下筋の評価肢位ではありません。正しくは:この肢位で、肩甲骨の外転に対する抵抗であれば前鋸筋などを評価することになります。選びやすい理由:肩関節周囲の筋の評価の一種であり、また、肩甲骨に触れているため、関連があるように思える。混同注意:前鋸筋や菱形筋など肩甲骨周囲筋の評価。
- 3. 正解。この肢位は、腹臥位で肩関節90度外転位、肘関節90度屈曲位をとり、前腕を下垂させた状態から、検査者が前腕に抵抗を加えながら外旋方向に力を加えることで肩甲下筋の筋力を評価しています。肩甲下筋は肩関節の内旋作用を担うため、外旋方向への抵抗は最も適切な評価方法です。選びやすい理由:正しい評価方法であるため、迷う要素は少ない。混同注意:他の肩関節筋のMMT。特に棘下筋や小円筋の評価肢位との区別。
- 4. この肢位は、座位で肘関節屈曲位で前腕を内転方向に動かそうとする運動に対し、抵抗を加えています。これは主に上腕二頭筋や上腕筋など肘関節屈筋群の評価、または肩関節内転の評価に関わる可能性があり、肩甲下筋の評価肢位としては不適切です。正しくは:この肢位で、肩関節内転に対する抵抗であれば大胸筋などを評価することになります。選びやすい理由:上腕に抵抗を加えているため、肩関節周囲の筋の評価であると勘違いしやすい。混同注意:上腕二頭筋、上腕筋などの肘関節屈筋群の評価、または大胸筋などの肩関節内転筋群の評価。
- 5. この肢位は、座位で体幹の伸展、または臀部の挙上を促すような運動に対し、抵抗を加えています。これは体幹の伸展筋群や股関節伸展筋群の評価に関わる可能性があり、肩甲下筋の評価肢位とは全く異なります。正しくは:この肢位で、体幹伸展に対する抵抗であれば脊柱起立筋などを評価することになります。選びやすい理由:身体の筋力評価全般の一つであるため、一見すると関係がありそうに思えるかもしれないが、肩甲下筋とは無関係である。混同注意:脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスなどの体幹・股関節伸展筋群の評価。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)における各筋の評価肢位と抵抗方向を正確に理解すること。
混同注意
肩関節の内旋筋群と外旋筋群の区別、およびそれぞれのMMT肢位。例えば、棘上筋(外転)、棘下筋・小円筋(外旋)との混同。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず肩甲下筋の主要な作用(肩関節内旋)を思い出し、次にその作用に逆らう抵抗をかける肢位を画像から判断する。
関連知識
肩関節周囲の主な筋肉の機能とMMTの基本的な手技を合わせて覚える。例えば、棘上筋のMMTは空の缶テスト、棘下筋・小円筋のMMTは外旋抵抗など。また、肩甲下筋は「持ち上げ徴候(リフトオフテスト)」でも評価されることがある。