患者との面接時における開かれた質問はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
開かれた質問は、患者が自分の言葉で自由に情報を表現できるように促し、より多くの情報、感情、考え、価値観などを引き出す効果があります。これにより、理学療法士は患者の個別性を深く理解し、その人にとって最も適切な治療計画や目標設定を行うための基盤とすることができます。選択肢3は、患者の退院後の生活という、多様な要素を含むテーマについて自由に語ってもらうことを意図しており、まさに開かれた質問の目的を達成します。他の選択肢はすべて「はい」「いいえ」といった限定的な回答を求める閉じた質問であり、得られる情報が限られてしまいます。
選択肢ごとの解説
- 1. この質問は「はい」か「いいえ」で答えられる閉じた質問であり、痛みの具体的な性質や発生状況などの詳細な情報を引き出すには不十分です。正しくは:「右膝はどのような時に、どのように痛みますか?」選びやすい理由:患者の主要な訴えである痛みに直接関連するため、適切な質問のように感じられますが、形式は閉じた質問です。混同注意:患者の症状を尋ねることは重要ですが、それが「開かれた質問」であるかどうかという形式の違いを見落としやすいです。
- 2. この質問も「はい」か「いいえ」で完結する閉じた質問であり、食事の内容や摂取状況、食欲の変化など、詳しい情報を得ることはできません。正しくは:「今朝の朝食は、どのようなものをどれくらい召し上がりましたか?何か変わったことはありましたか?」選びやすい理由:日常生活の確認として一般的な質問であり、無意識のうちに選んでしまう可能性があります。混同注意:生活習慣の確認という目的と、質問形式の適切性という観点が混同されることがあります。
- 3. 正解。この質問は、患者が自分の言葉で自由に考え、退院後の生活に対する希望、目標、不安、具体的な計画など、多岐にわたる情報を自由に表現することを促します。これにより、患者の価値観や生活背景を深く理解し、個別化されたリハビリテーション目標の設定に役立てることができます。これは開かれた質問の典型的な例です。
- 4. この質問も「はい」か「いいえ」で答えられる可能性が高く、睡眠の質、中断の有無、その原因など、詳細な情報を引き出しにくい閉じた質問です。正しくは:「昨夜はどのように眠れましたか?何か気になる点はありましたか?」選びやすい理由:患者の体調を気遣う質問として、自然な会話の流れで使うことが多いため、開かれた質問だと誤解しやすいです。混同注意:患者の状況を尋ねる質問はすべて開かれているという誤解や、一般的な挨拶・気遣いの言葉と、情報収集のための質問の区別がつきにくい場合があります。
- 5. この質問は「はい」か「いいえ」で答えられるか、または簡単な動作の有無を問う閉じた質問です。立ち上がり動作における具体的な困難さ、使用する補助具、介助の必要性など、詳細な情報や動作分析にはつながりません。正しくは:「椅子から立ち上がる際に、どのような点でお困りですか?」「どのように立ち上がっていますか?」選びやすい理由:身体機能の評価において重要な項目であるため、有効な質問だと感じやすいですが、形式的には閉じた質問です。混同注意:身体機能に関する重要な質問であることと、開かれた質問であることの区別が曖昧になりやすいです。
国試ポイント
この問題は、患者中心の医療におけるコミュニケーションスキルの基本である「開かれた質問」と「閉じた質問」の区別を理解しているか、そしてそれぞれの質問形式がどのような情報収集に適しているかを問うものです。理学療法士は、患者のニーズや状態を正確に把握するために、適切な質問形式を使い分ける能力が求められます。
混同注意
開かれた質問と閉じた質問の区別が曖昧な場合、また、特定の情報を効率的に得るための閉じた質問の有用性(例:緊急時、具体的な事実確認)と、患者の全体像を把握するための開かれた質問の目的が混同されることがあります。患者の状態を尋ねる質問すべてが「開かれた質問」だと誤解するケースもあります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、選択肢の質問が「はい/いいえ」で答えられるか、または具体的な限定的な回答しか引き出さないかをまず確認します。その上で、患者の思考や感情、多角的な情報を引き出す余地があるか、自由な記述や表現を促す内容であるかを判断基準とします。
関連知識
面接技法(ラポール形成、傾聴、共感的理解)、患者中心の医療、ICF(国際生活機能分類)を用いた包括的評価、動機づけ面接の基本原則、コミュニケーションの非言語的側面。