急性心筋梗塞の胸痛の特徴で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
急性心筋梗塞の胸痛は、激しい胸骨下部の圧迫感や締め付け感が特徴で、通常30分以上持続します。痛みはしばしば左肩、左腕、顎などに放散し、吐き気、嘔吐、冷汗、呼吸困難などを伴うことが多いです。硝酸薬の効果は限定的で、心筋梗塞では痛みが速やかに消失することはありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性心筋梗塞による胸痛は、通常30分以上持続することが多く、数分で消失することは稀です。これはむしろ安定狭心症の特徴です。正しくは:数十分から数時間持続する。選びやすい理由:狭心症と心筋梗塞の持続時間の違いが曖昧な場合、誤って選ぶ可能性があります。混同注意:安定狭心症の胸痛(通常数分~15分程度)と混同しやすいです。
- 2. 正解。急性心筋梗塞では、激しい痛みや循環動態の変化に伴う交感神経の興奮により、冷汗、吐き気、嘔吐などの症状を伴うことが非常に多いです。
- 3. 感冒様の前駆症状は、ウイルス性心筋炎や心膜炎などで見られることがあり、急性心筋梗塞の典型的な症状ではありません。正しくは:突然の胸痛として現れることが多い。選びやすい理由:特定の疾患で前駆症状があるという知識がある場合、他の疾患と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:心筋炎や心膜炎など、感染に関連する心疾患の前駆症状と混同しやすいです。
- 4. 急性心筋梗塞の胸痛は、左肩、左腕の内側、顎、歯、背中、みぞおちなどに放散することが特徴的であり、放散痛が生じないことはむしろ稀です。正しくは:左腕や顎などに放散痛が生じることが多い。選びやすい理由:胸部中央に限局する痛みと誤解する可能性があります。混同注意:典型的な放散部位やその頻度に関する知識が不確かな場合、誤りやすいです。
- 5. 硝酸薬は冠動脈を拡張させる作用がありますが、急性心筋梗塞では冠動脈が完全に閉塞していることが多いため、硝酸薬の投与によっても胸痛は速やかに消失しないことが多いです。これは安定狭心症の特徴です。正しくは:硝酸薬の投与では速やかに消失しないことが多い。選びやすい理由:硝酸薬が虚血性心疾患の治療薬であるという知識から、効果があると誤解しやすいです。混同注意:安定狭心症の胸痛(硝酸薬で速やかに改善する)と混同しやすいです。
国試ポイント
虚血性心疾患、特に安定狭心症と急性心筋梗塞の胸痛の臨床的特徴の鑑別がよく問われます。持続時間、随伴症状、放散痛の有無、硝酸薬の効果などが重要な鑑別点となります。
混同注意
安定狭心症、不安定狭心症、大動脈解離、急性心膜炎、食道疾患など、他の胸痛をきたす疾患との鑑別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、心電図におけるST上昇の有無や心筋逸脱酵素(トロポニンT、CK-MBなど)の推移、あるいは緊急処置の内容や急性期・回復期における理学療法の進め方といった、より踏み込んだ知識が問われる可能性があります。
関連知識
虚血性心疾患の病態(冠動脈硬化、閉塞)、診断(心電図変化、心筋逸脱酵素の上昇)、治療(経皮的冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス術、薬物療法)、理学療法における禁忌や注意点。