ステロイドの副作用で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
副腎皮質ステロイド薬の長期使用は、骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍、満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満、筋力低下(ステロイドミオパチー)、精神症状、感染症に対する抵抗力の低下、そして大腿骨頭壊死などの重篤な副作用を引き起こすことが知られています。特に大腿骨頭壊死は、ステロイドの重要な合併症の一つとして認識されています。
選択肢ごとの解説
- 1. ステロイドの副作用に筋固縮は含まれません。筋固縮はパーキンソン病などで見られる症状です。正しくは:ステロイドの長期使用では、筋力低下やミオパチー(ステロイドミオパチー)が生じることがあります。選びやすい理由:筋肉に関連する症状であるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:筋力低下(ステロイドミオパチー)と筋固縮を混同する可能性があります。
- 2. 副腎皮質ステロイド薬は、ナトリウム貯留作用や血管収縮作用の増強により、むしろ高血圧を引き起こすことがあります。低血圧はステロイドの一般的な副作用ではありません。正しくは:ステロイドの副作用では高血圧が生じることがあります。選びやすい理由:循環器系の症状であるため、漠然と選択してしまう可能性があります。混同注意:高血圧と低血圧を混同する可能性、またはステロイド中止後の副腎不全による低血圧と混同する可能性があります。
- 3. 副腎皮質ステロイド薬には糖新生を促進する作用があるため、血糖値を上昇させ、糖尿病や高血糖を引き起こすことがあります。低血糖は一般的な副作用ではありません。正しくは:ステロイドの副作用では高血糖が生じ、糖尿病を誘発・悪化させることがあります。選びやすい理由:代謝系の症状であるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:高血糖と低血糖を混同する可能性があります。
- 4. 正解。副腎皮質ステロイド薬の長期・大量投与は、大腿骨頭壊死を含む骨壊死のリスク因子としてよく知られています。原因としては血流障害や脂肪塞栓などが考えられています。正しくは:正しい選択肢です。選びやすい理由:ありません。混同注意:ありません。
- 5. 副腎皮質ステロイド薬は、鉱質コルチコイド作用(アルドステロン様作用)によりナトリウムを再吸収し、カリウム排泄を促進するため、低カリウム血症を引き起こすことがあります。高カリウム血症は一般的な副作用ではありません。正しくは:ステロイドの副作用では低カリウム血症が生じることがあります。選びやすい理由:電解質異常であるため、誤って選択する可能性があります。混同注意:低カリウム血症と高カリウム血症を混同する可能性があります。
国試ポイント
ステロイド薬の副作用に関する知識は、国家試験で頻繁に問われる重要事項です。特に、身体機能に影響を与える副作用(骨粗鬆症、大腿骨頭壊死、筋力低下など)は理学療法士として知っておくべき内容です。また、代謝系の副作用(糖尿病、高血圧、電解質異常)も重要です。
混同注意
ステロイド薬の副作用は多岐にわたるため、他の薬剤の副作用や、病気そのものの症状と混同しやすいです。特に、代謝系(血糖、血圧、電解質)の作用は拮抗するような選択肢で迷わせることが多いです。
次に同じ論点が出たら
次回、同じ論点が出題された場合、ステロイドの副作用リストから、特に整形外科的・運動機能に関わる副作用(骨粗鬆症、脊椎圧迫骨折、筋力低下、大腿骨頭壊死など)が選択肢に含まれていないか、あるいは代謝系の副作用(高血糖、高血圧、低カリウム血症など)が正しく記載されているかを確認します。また、ステロイドの過剰投与と副腎不全による症状の違いにも注意が必要です。
関連知識
ステロイドの作用機序(抗炎症作用、免疫抑制作用、糖新生促進作用、タンパク質異化作用、ナトリウム貯留・カリウム排泄作用など)を理解することで、副作用のメカニズムも理解しやすくなります。各臓器への影響(骨、筋、皮膚、消化器、内分泌、精神、循環器など)を整理して覚えることが重要です。