上肢・下肢のBrunnstrom法ステージとテスト動作の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Brunnstrom法における下肢ステージVのテスト動作は「立位で股関節を伸展位に保ちながら膝関節のみを屈曲する」とされており、これは下肢の共同運動から膝関節の運動を分離させる高度な動作を示します。他の選択肢は、示されたステージの動作とは異なっています。
選択肢ごとの解説
- 1. これはBrunnstrom上肢ステージVの代表的なテスト動作です。ステージⅣでは、共同運動からの分離が始まったばかりであり、肘伸展位での前腕回内外はまだ難しいとされています。正しくは:上肢ステージⅤ:座位で肘を伸ばした状態で前腕を回内・回外させる。または、上肢ステージⅣ:手指を組んで頭上に挙上する。選びやすい理由:上肢ステージⅣは共同運動からの分離が始まる段階であり、前腕の分離運動も含まれると思われがちです。混同注意:上肢ステージⅣの動作(例:手指を組んで頭上に挙上)とステージⅤの動作(例:肘伸展位での前腕回内外)を混同しやすいです。
- 2. 肘を伸ばしたまま前方へ水平挙上することは、上肢の屈曲共同運動の一部であり、比較的初期の段階(ステージⅢやⅣ)で可能になることが多いです。ステージⅤは、共同運動とは異なる、より分離された複雑な運動が求められます。正しくは:上肢ステージⅤ:肩を90度外転させ、肘を伸ばしたまま腕を挙上する。選びやすい理由:「肘を伸ばしたまま」という条件から、より高度な運動のように感じられるかもしれません。混同注意:上肢の共同運動と、共同運動から分離した運動のレベル感を混同しやすいです。
- 3. 股関節、膝関節、足関節を同時に屈曲させる動作は、下肢の屈曲共同運動そのものであり、Brunnstrom下肢ステージⅢで可能になる基本的な運動です。ステージⅣは、共同運動からの分離が始まる段階です。正しくは:下肢ステージⅢ:座位で股関節、膝関節、足関節を同時に屈曲させる。または、下肢ステージⅣ:座位で足関節を背屈する。選びやすい理由:「同時に屈曲」という言葉から、ある程度の分離運動のように思えるかもしれませんが、これは共同運動そのものです。混同注意:下肢の共同運動(屈曲・伸展)と、そこからの分離運動のステージを混同しやすいです。
- 4. 正解。これはBrunnstrom下肢ステージⅤの代表的なテスト動作の一つです。股関節の伸展を保ちながら膝関節のみを屈曲させることは、下肢の共同運動パターンからの高度な分離運動であり、ステージⅤに位置づけられます。
- 5. 膝関節を伸ばしたまま足関節のみを屈曲させる(足関節背屈)動作は、Brunnstrom下肢ステージⅣで可能になる比較的初期の分離運動です。ステージⅥは、より複雑で協調性のある、ほぼ正常に近い運動が可能な段階です。正しくは:下肢ステージⅣ:立位で膝関節を伸ばしたまま足関節のみを屈曲させる。または、下肢ステージⅥ:立位で股関節を外転させながら膝関節を屈曲する。選びやすい理由:「膝関節を伸ばしたまま」という条件から、難易度が高い運動のように思えるかもしれませんが、足関節の分離運動としてはステージⅣに該当します。混同注意:下肢ステージⅣの動作とステージⅥの動作の難易度、およびそれらが示す運動分離のレベルを混同しやすいです。
国試ポイント
Brunnstrom法の各ステージ(特にⅢ~Ⅵ)における代表的なテスト動作と、それが示す運動分離の程度を正確に理解しているかが問われます。上肢と下肢で共通する分離の原則と、各部位固有の動作パターンを把握することが重要です。
混同注意
各ステージのテスト動作は非常に細かく、類似した動作が異なるステージに位置づけられることがあるため、混同しやすいです。特に、共同運動の一部を切り取った動作が、分離運動として別のステージに分類されることがあるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が問われる場合、他のステージ(特に上肢Ⅲ, Ⅳ, Ⅴ, Ⅵや下肢Ⅲ, Ⅳ, Ⅵ)の代表的なテスト動作が選択肢として提示される可能性が高いです。また、共同運動の具体的な内容(屈曲・伸展共同運動を構成する関節運動)を問う問題も出題されうるでしょう。
関連知識
Brunnstrom法は、脳卒中片麻痺患者の回復段階を評価するための分類法であり、共同運動からの分離という概念が重要です。ステージⅠ(弛緩性麻痺)からステージⅥ(ほぼ正常)までの段階と、それぞれの段階で特徴的な運動パターン、さらにそれらを評価するためのテスト動作を網羅的に学習する必要があります。