認知症の周辺症状であるBPSD〈behavioral and psychological symptoms of dementia〉はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
認知症の症状は、中核症状と周辺症状(BPSD)に大別されます。中核症状は脳の神経細胞の変性や脱落によって直接的に生じる認知機能障害(記憶障害、見当識障害、失語、失行、失認、遂行機能障害など)です。一方、BPSDは、中核症状に加えて、患者さんの性格、環境、心理状態、身体状況などが複雑に絡み合って生じる精神症状や行動障害(妄想、幻覚、徘徊、興奮、暴力、不眠、うつ状態など)を指します。選択肢の中で妄想のみがBPSDに該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 失行は高次脳機能障害の一つで、運動機能自体には問題がないにも関わらず、目的を持った動作ができない状態を指します。これは認知症の中核症状に分類されます。正しくは:失行は認知症の中核症状の一つである。選びやすい理由:認知症に伴って出現する症状であるため、BPSDと誤解しやすい。混同注意:認知症に伴う他の高次脳機能障害(失語、失認など)や、BPSD(妄想、徘徊など)と混同しやすい。
- 2. 失認は高次脳機能障害の一つで、感覚器自体には問題がないにも関わらず、対象物を認識できない状態を指します。これも認知症の中核症状に分類されます。正しくは:失認は認知症の中核症状の一つである。選びやすい理由:認知症でよく見られる症状であり、BPSDと間違えやすい。混同注意:認知症に伴う他の高次脳機能障害(失語、失行など)や、BPSD(幻覚、興奮など)と混同しやすい。
- 3. 正解。妄想は、認知症の進行に伴って生じる精神症状の一つで、介護拒否や徘徊、攻撃性などの行動を引き起こすことがあります。これらはBPSD(行動・心理症状)に分類されます。
- 4. 見当識障害は、時間、場所、人物などの基本的な状況を認識できなくなる状態で、認知症の中核症状の代表的なものです。正しくは:見当識障害は認知症の中核症状の一つである。選びやすい理由:非常に認知症の特徴的な症状であるため、BPSDと思われやすい。混同注意:BPSD(徘徊、興奮など)と症状としては関連が深く、鑑別が難しい場合があるが、概念上は中核症状に属する。
- 5. 遂行機能障害は、計画を立てて物事を順序立てて実行することが困難になる状態を指します。これは認知症の中核症状に分類されます。正しくは:遂行機能障害は認知症の中核症状の一つである。選びやすい理由:日常生活における行動の問題と捉えられがちで、BPSDと勘違いしやすい。混同注意:BPSD(無気力、アパシーなど)と関連して現れることもあるが、遂行機能の低下自体は中核症状である。
国試ポイント
認知症の症状を中核症状と周辺症状(BPSD)に分類できるかどうかが問われる問題です。各症状がどちらに分類されるかを正確に理解している必要があります。
混同注意
認知症の症状は多岐にわたるため、個々の症状が中核症状かBPSDかの区別がつきにくいことがあります。特に、中核症状が引き金となってBPSDが出現することが多いため、両者の関連性と区別を理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、他のBPSDの具体例(徘徊、幻覚、興奮、暴力など)や、逆に中核症状の具体例(記憶障害、失語、失行、失認、見当識障害、遂行機能障害など)が選択肢として問われる可能性があります。また、BPSDの発生要因やアセスメント、対応方法に関する知識も問われるかもしれません。
関連知識
BPSDの具体例として、徘徊、幻覚、攻撃性、不眠、抑うつ、不安、焦燥、多動、無関心、性的逸脱行動などがあります。これらの症状は患者さんの生活の質を著しく低下させ、介護者の負担も増大させるため、適切なアセスメントと介入が求められます。