尿毒症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尿毒症は、腎機能が高度に低下し、体内の老廃物や有害物質が蓄積することで生じる全身性の症候群です。腎臓の酸排泄能が障害されるため、水素イオンが体内に貯留し、血液のpHが低下する代謝性アシドーシスを呈します。これは尿毒症性症状の主要な原因の一つであり、呼吸器や循環器、神経系など全身に影響を及ぼします。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿毒症は、腎不全が進行し、腎機能が著しく低下した末期段階で発症する症候群です。初期段階では通常見られません。正しくは:尿毒症は、腎不全の末期にみられます。選びやすい理由:腎不全と関連が深いため、初期から症状が出ると誤解する可能性がある。混同注意:腎不全の定義や段階と混同しやすい。
- 2. 正解。腎臓の機能が低下すると、体内の酸性物質(水素イオンなど)の排泄が滞り、重炭酸イオンの再吸収が低下するため、血液が酸性に傾く代謝性アシドーシスを呈します。これは尿毒症の主要な病態の一つです。選びやすい理由:尿毒症の複雑な病態生理の一部であり、腎臓の役割を理解していれば選択しやすい。
- 3. 腎臓の機能が低下すると、カリウムの排泄が障害されるため、高カリウム血症を生じやすくなります。低カリウム血症は稀で、尿毒症の一般的な特徴ではありません。正しくは:高カリウム血症を生じやすいです。選びやすい理由:電解質異常全般との関連で、カリウムの変動を漠然と捉えてしまう可能性がある。混同注意:低カリウム血症を引き起こす他の疾患(例:下痢、原発性アルドステロン症など)と混同しやすい。
- 4. 透析患者の主な死亡原因は、心血管系疾患(心不全、虚血性心疾患、脳血管疾患など)です。尿毒症自体が直接的な死亡原因となることは、透析によってコントロールされているため稀です。正しくは:透析患者の主な死亡原因は心血管系疾患です。選びやすい理由:透析が尿毒症の治療法であるため、透析と尿毒症の関連が強いと誤解し、死亡原因も尿毒症だと考えてしまう可能性がある。混同注意:透析導入の原因疾患と、透析中の死亡原因を混同しやすい。
- 5. 尿毒症は腎機能の著しい低下を意味し、クレアチニンなどの老廃物が体外に排泄されなくなるため、血清クレアチニン濃度は上昇します。減少することはありません。正しくは:血清クレアチニン濃度は上昇します。選びやすい理由:腎機能の指標であることは知っていても、上昇か低下か混同しやすい。健康な状態と比較して、症状が出ているので異常値(低下?)と考える可能性がある。混同注意:尿素窒素やクレアチニンなどの腎機能マーカーの解釈と、糸球体ろ過量(GFR)の変化を混同しやすい。
国試ポイント
尿毒症の病態生理に関する基本的な知識、特に電解質や酸塩基平衡の異常について問われています。各選択肢は、尿毒症の進行度、電解質異常、透析患者の予後、腎機能マーカーの変動といった重要な側面をカバーしており、それぞれの正しい理解が求められます。
混同注意
尿毒症の概念と慢性腎臓病の段階、腎不全による具体的な電解質異常(カリウムの変動)、腎機能検査値(クレアチニン)の解釈が混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、尿毒症の病態生理だけでなく、具体的な合併症(貧血、腎性骨症、神経障害など)やそれぞれの治療法、透析導入の基準、透析の原理など、より実践的な知識が問われる可能性があります。
関連知識
慢性腎臓病(CKD)の病期分類と各期の症状、腎臓の働き(水分・電解質・酸塩基平衡の調節、老廃物排泄、ホルモン産生など)、電解質異常(高カリウム血症、低カリウム血症)の臨床症状と治療、酸塩基平衡異常(代謝性アシドーシス、アルカローシス)の鑑別と原因、透析療法の適応と合併症、透析患者の予後と主な死因。