排便機構で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
排便は副交感神経によって促進される反射であり、副交感神経の神経伝達物質はアセチルコリンです。骨盤神経は副交感神経の一部であり、直腸の平滑筋に作用して収縮を促進します。
選択肢ごとの解説
- 1. 便意の発生は、直腸壁が糞便によって伸展されることによって引き起こされます。内肛門括約筋の伸展が直接的な便意の引き金ではありません。正しくは:便意は直腸壁の伸展で生じます。選びやすい理由:肛門括約筋が排便に関与しているため、その伸展が便意に関係すると誤解しやすいです。混同注意:内肛門括約筋と直腸壁の感覚受容器の機能を混同しやすいです。
- 2. 大蠕動は、大腸の内容物を肛門方向へ一気に移動させる運動であり、主に排便を促す役割があります。内容物の混和は、分節運動(ハウストラ運動)によって行われます。正しくは:大腸内容物の混和は分節運動(ハウストラ運動)で行われます。選びやすい理由:大蠕動が大腸の主要な運動の一つであるため、混和にも関わると考えがちです。混同注意:大蠕動(mass movement)と分節運動(segmentation)の機能を混同しやすいです。
- 3. 正解。排便反射において、副交感神経からの刺激が直腸平滑筋に伝えられ、アセチルコリンが分泌されることで直腸の収縮が促進されます。これは副交感神経の作用であり、排便を促す主要なメカニズムです。選びやすい理由:神経伝達物質とその作用は複雑で覚えにくいため、他の選択肢に目が行きがちです。
- 4. 骨盤神経(副交感神経)からのインパルスは、内肛門括約筋を弛緩させ、直腸の収縮を促します。外肛門括約筋は横紋筋であり、陰部神経(体性神経)の支配を受け、随意的に収縮・弛緩を制御します。排便時には、排便反射として陰部神経の活動が抑制され、外肛門括約筋が弛緩します。正しくは:骨盤神経のインパルスは内肛門括約筋を弛緩させます。外肛門括約筋の弛緩は、陰部神経の活動抑制によって起こります。選びやすい理由:骨盤神経が排便反射に関与しているため、外肛門括約筋の弛緩にも直接関わると誤解しやすいです。混同注意:内肛門括約筋と外肛門括約筋の神経支配(自律神経と体性神経)を混同しやすいです。
- 5. 上行結腸では、まだ多くの水分が吸収されておらず、内容物は液体に近い泥状です。半固形状になるのは、横行結腸から下行結腸にかけてです。正しくは:上行結腸における大腸内容物の性状は泥状(液状に近い)です。選びやすい理由:消化の進行とともに固形化していくという大まかな理解から、上行結腸でもすでに半固形だと考えがちです。混同注意:大腸の部位ごとの内容物の水分量と性状の変化を混同しやすいです。
国試ポイント
排便反射のメカニズム、特に各消化管部位の機能、括約筋の神経支配、および関連する神経伝達物質について正確な知識が問われています。単に『排便』という漠然とした理解ではなく、各構成要素の具体的な役割を理解しているかが重要です。
混同注意
内肛門括約筋と外肛門括約筋の神経支配、大腸の運動の種類(大蠕動、分節運動)、消化管の部位ごとの内容物の性状。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、排便反射の経路、関連する神経(骨盤神経、陰部神経)、内肛門括約筋と外肛門括約筋の機能と支配神経、および各消化管セクションでの糞便の性状変化について問われる可能性があります。
関連知識
排便反射(局所反射と脊髄反射)、自律神経(交感神経・副交感神経)と体性神経の消化管への作用、消化管ホルモンと消化管運動の関係、大腸の水分吸収機能。