筋と作用の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
短腓骨筋は足関節の底屈と外がえしに作用し、薄筋は股関節の内転・屈曲と膝関節の屈曲に作用するため、選択肢3と4が正しい組み合わせです。
選択肢ごとの解説
- 1. 長指伸筋の主な作用は、足関節の背屈と足趾(第2~5趾)の伸展です。補助的に足の外がえしにも作用しますが、足の内がえし作用はありません。正しくは:長指伸筋の主な作用は「足関節背屈、第2〜5趾伸展、足の外がえし補助」です。選びやすい理由:足関節をまたぐため、足部の動きに関わることは想像しやすいですが、内がえしか外がえしか、または背屈か底屈かといった具体的な作用を混同しやすい可能性があります。混同注意:前脛骨筋(足関節背屈・内がえし)や後脛骨筋(足関節底屈・内がえし)など、内がえしに作用する他の筋と混同しやすいです。
- 2. 後脛骨筋の主な作用は、足関節の底屈と足の内がえしです。足の外がえし作用はありません。正しくは:後脛骨筋の主な作用は「足関節底屈、足内がえし」です。選びやすい理由:脛骨周辺に位置するため足関節の動きに関与することはわかりますが、外がえしと内がえしという拮抗する作用を誤って記憶していると選んでしまいやすいです。混同注意:長腓骨筋や短腓骨筋といった腓骨筋群の足外がえし作用と混同しやすいです。
- 3. 正解。短腓骨筋は腓骨外側から起こり、第5中足骨粗面に付着するため、長腓骨筋とともに足関節の底屈と足の外がえしに作用します。したがって、足底屈という記述は正しいです。
- 4. 正解。薄筋は恥骨から起こり、脛骨内側(鵞足部)に付着する二関節筋です。股関節の内転・屈曲に加えて、膝関節をまたぐため膝関節の屈曲にも作用します。したがって、膝屈曲という記述は正しいです。
- 5. 縫工筋は上前腸骨棘から起こり、脛骨内側(鵞足部)に付着する二関節筋です。股関節の屈曲・外転・外旋に加えて、膝関節の屈曲と内旋に作用します。膝関節の伸展作用はありません。正しくは:縫工筋の主な作用は「股関節屈曲・外転・外旋、膝関節屈曲・内旋」です。選びやすい理由:大腿の前面に位置することから、大腿四頭筋などの膝伸展筋と作用を混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:大腿四頭筋(膝関節伸展)や大腿筋膜張筋(股関節屈曲・外転)など、周囲に位置する他の筋の作用と混同しやすいです。
国試ポイント
下肢の主要な筋について、その起始、停止、支配神経、そして主たる作用を正確に理解しているかが問われます。特に、複数の関節をまたぐ二関節筋や、拮抗する作用を持つ筋の区別が重要です。今回は足関節周囲と膝関節周囲の筋の作用の理解が試されています。
混同注意
足関節の動き(背屈・底屈、内がえし・外がえし)に関わる筋群(前脛骨筋、後脛骨筋、腓骨筋群、長指伸筋、長母趾伸筋など)の作用の混同。膝関節の屈曲・伸展、股関節の様々な動きに関わる筋群(大腿四頭筋、ハムストリングス、縫工筋、薄筋など)の作用の混同。特に二関節筋の作用の混同が起こりやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の筋と作用の組み合わせ問題が出題された場合、まず各筋の「起始と停止」を正確に把握し、そこから「関節をまたぐ方向と関節運動の軸」をイメージして作用を導き出す練習をしましょう。特に、複数の関節をまたぐ二関節筋(例:縫工筋、薄筋、ハムストリングス、大腿直筋など)の作用は、関与する全ての関節において正確に把握しておく必要があります。
関連知識
長指伸筋:脛骨外側顆、腓骨前面、骨間膜から始まり、第2~5趾の中節・末節骨底に付着。足関節背屈、第2~5趾伸展、足外がえし補助。後脛骨筋:脛骨・腓骨後面、骨間膜から始まり、舟状骨粗面、内側楔状骨、中間楔状骨、外側楔状骨、第2~4中足骨底に付着。足関節底屈、足内がえし。短腓骨筋:腓骨外側面から始まり、第5中足骨粗面に付着。足関節底屈、足外がえし。薄筋:恥骨結合下縁から始まり、脛骨内側(鵞足部)に付着。股関節内転・屈曲、膝関節屈曲。縫工筋:上前腸骨棘から始まり、脛骨内側(鵞足部)に付着。股関節屈曲・外転・外旋、膝関節屈曲・内旋。