端座位で膝関節を完全伸展位から屈曲した際に生じるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
膝関節の運動学において、半月板の可動性は重要です。外側半月板は内側半月板と比較して形状が円形に近く、周囲組織(特に外側側副靭帯)との結合が緩やかであるため、脛骨や大腿骨の動きに合わせて大きく移動することができます。一方、内側半月板はC字型で、内側側副靭帯や関節包に強固に付着しているため、可動性は小さいです。この可動性の違いは、膝関節の円滑な運動と衝撃吸収に寄与しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 膝関節屈曲時には、前十字靭帯は伸展位に比べて相対的に緊張します。特に完全伸展位から屈曲を開始する際や、深屈曲時に緊張度が増します。正しくは:膝関節屈曲時には、前十字靭帯は緊張します。選びやすい理由:靭帯が常に同じ緊張状態にあるという誤解や、膝の安定性が保たれるためには特定の動きで弛緩が必要だと錯覚するかもしれません。混同注意:前十字靭帯と後十字靭帯の役割、または伸展位と屈曲位での各靭帯の緊張度の違い。
- 2. 膝関節屈曲時には、側副靭帯は全体的に弛緩します。特に完全伸展位で最も緊張し、屈曲するにつれて弛緩していくのが特徴です。正しくは:内側側副靭帯は弛緩します。選びやすい理由:膝関節が安定している状態では常に靭帯が緊張しているという一般的なイメージから、屈曲時にも緊張すると考えてしまうかもしれません。混同注意:側副靭帯が最も緊張する膝関節の肢位(伸展位)と、屈曲時の動き。
- 3. 膝関節の屈曲初期(0〜20度程度)には、脛骨は大腿骨に対して内旋します。これは「スクリューホームムーブメントの解除」と呼ばれる現象で、膝が伸展位でロックされた状態を解除するために起こります。外旋するのは伸展最終域です。正しくは:屈曲初期に脛骨は内旋します。選びやすい理由:スクリューホームムーブメントの機構を逆に理解しているか、または伸展最終域での動きと混同している可能性があります。混同注意:スクリューホームムーブメントの最終域(伸展)での脛骨外旋と、屈曲初期での脛骨内旋の区別。
- 4. 正解。外側半月板は円形に近く、関節包への付着が比較的緩やかであるため、膝関節の屈曲・伸展に伴う移動量が内側半月板よりも大きいです。内側半月板はC字型で、内側側副靭帯や関節包に強固に付着しているため、動きが制限されます。選びやすい理由:半月板の形状や周囲組織との連結の違いを理解していないと、どちらが大きく動くか判断が難しいかもしれません。混同注意:内側半月板と外側半月板の形状、可動性、および周囲構造(靭帯など)との連結の違い。
- 5. 膝関節の屈曲運動では、初期に転がり運動が生じ、その後すべり運動が主になります。これは、大腿骨顆部が脛骨高に対して後方に転がり、その後、脛骨に対して後方に滑ることで関節の整合性が保たれるためです。正しくは:屈曲初期に転がり運動が生じ、続いてすべり運動が加わります。選びやすい理由:転がりとすべりの順序を逆に覚えてしまっているか、または関節運動学の基本原理を混同している可能性があります。混同注意:膝関節の運動における転がり運動とすべり運動の発生順序。
国試ポイント
膝関節の運動学に関する正確な知識、特に半月板の構造と機能、靭帯の緊張度変化、スクリューホームムーブメントの概念について問われています。各選択肢の知識を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
膝関節の各靭帯(十字靭帯、側副靭帯)の屈曲・伸展位での緊張度、半月板の内外差、スクリューホームムーブメントの方向とタイミング、転がり運動とすべり運動の発生順序など、類似した関節運動学の概念が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各靭帯の完全伸展位と完全屈曲位での緊張度の比較、半月板の損傷部位と症状の違い、スクリューホームムーブメントに関与する筋肉(大腿四頭筋、膝窩筋など)の役割が問われる可能性があります。
関連知識
半月板の機能(衝撃吸収、関節適合性の向上)、膝関節の安定機構(靭帯、筋肉)、スクリューホームムーブメントのメカニズム、大腿脛骨関節の運動学(転がりとすべりの組み合わせ)。