右頭頂葉障害で特徴的な症状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
右頭頂葉は身体図式や空間認知、非優位半球の注意機能に関与しています。着衣失行は、衣服を正しく着ることができない障害で、身体の左右や上下、衣服の前後を認識できない空間認知障害や身体図式の障害が原因とされ、特に右頭頂葉病変で特徴的に現れます。他の選択肢は、観念運動失行(左頭頂葉)、相貌失認(側頭葉)、遂行機能障害(前頭葉)といった異なる脳部位の障害と関連が深いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 警察官の敬礼を模倣できないのは、観念運動失行の一例であり、左頭頂葉(特に優位半球)の病変でよく見られます。右頭頂葉障害では通常見られません。正しくは:左頭頂葉の病変の場合に見られる可能性が高いです。選びやすい理由:失行症状であるため、頭頂葉との関連を連想しやすいですが、左右の部位の違いを認識する必要があります。混同注意:観念運動失行と着衣失行の症状の違い、およびそれぞれに関連する脳部位(左優位半球頭頂葉と右頭頂葉)を混同しやすいです。
- 2. 顔を見ただけでは人物を識別できないのは相貌失認の症状であり、主に両側性または右側性の側頭葉後部(特に紡錘状回)の障害で見られます。頭頂葉の障害とは異なります。正しくは:側頭葉(特に右側性または両側性の紡錘状回)の病変の場合に見られる可能性が高いです。選びやすい理由:視覚認知の問題であるため、後頭葉や頭頂葉との関連を連想しやすいですが、具体的な機能と部位の対応が異なります。混同注意:視覚失認全般と相貌失認の区別、およびそれぞれの責任病巣(後頭葉、側頭葉、頭頂葉)を混同しやすいです。
- 3. 歯ブラシで歯を磨くことができないのは、観念失行や観念運動失行の症状であり、優位半球(通常は左側)の頭頂葉や側頭頭頂接合部の障害で見られます。右頭頂葉障害では通常見られません。正しくは:左頭頂葉や側頭頭頂接合部の病変の場合に見られる可能性が高いです。選びやすい理由:日常的な動作の障害であるため、頭頂葉の機能と関連があると誤解しやすいですが、失行の種類と責任病巣が異なります。混同注意:観念失行と着衣失行の症状の違い、およびそれぞれに関連する脳部位(左優位半球頭頂葉と右頭頂葉)を混同しやすいです。
- 4. 料理の工程を順序立てて進められないのは、遂行機能障害の一例であり、前頭葉、特に前頭前野の機能と関連が深いです。頭頂葉の障害とは直接関連しません。正しくは:前頭葉(特に前頭前野)の病変の場合に見られる可能性が高いです。選びやすい理由:高次脳機能障害全般を頭頂葉障害と結びつけやすいですが、症状が具体的にどの部位の機能と関連するかを理解する必要があります。混同注意:頭頂葉が関連する高次脳機能障害(例:半側空間無視、着衣失行)と、前頭葉が関連する遂行機能障害を混同しやすいです。
- 5. 正解。衣服の左右の袖に腕を通すことが困難であるのは、着衣失行の典型的な症状であり、これは右頭頂葉の障害で特異的に見られることが多いです。身体図式や空間認知の障害が関連しています。
国試ポイント
脳の各部位と、それぞれに特徴的な高次脳機能障害の症状の組み合わせを正確に理解しているかが問われています。特に、失行の中でも着衣失行が右頭頂葉障害に特異的である点を覚えているかが重要です。
混同注意
観念運動失行、観念失行、構成失行、着衣失行といった様々な失行の症状と責任病巣。また、視覚失認、半側空間無視、相貌失認などの他の高次脳機能障害との区別。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の代表的な高次脳機能障害(例:半側空間無視、ゲルストマン症候群、構成失行、観念運動失行)がどの脳部位の障害で生じるかを問う問題が出る可能性があります。また、具体例から病名や責任病巣を推測させる形式も考えられます。
関連知識
・左頭頂葉:観念運動失行、ゲルストマン症候群(手指失認、左右失認、失書、失算)。 ・右頭頂葉:着衣失行、構成失行、半側空間無視。 ・前頭葉:遂行機能障害、人格変化、運動失語(ブローカ失語)。 ・側頭葉:感覚失語(ウェルニッケ失語)、相貌失認(右側頭葉)。 ・後頭葉:皮質盲、視覚失認。