唾液分泌について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
唾液には消化酵素であるアミラーゼ(プチアリン)が含まれており、これがデンプンなどの糖質を分解する働きをします。これは口腔内での消化の第一歩として非常に重要です。他の選択肢は、唾液の分泌量、pHの変化、加齢による影響、および分泌中枢の場所に関して、いずれも誤った記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 成人における1日の唾液分泌量は、通常1000〜1500mL(1〜1.5L)程度であり、100mLは著しく少ない値です。正しくは:1日の唾液分泌量は概ね1000〜1500mL程度である。選びやすい理由:正確な数値を知らない場合、他の体液の量や病態時の減少量と混同してしまい、選択肢としてあり得るように感じてしまう可能性があります。混同注意:他の体液の量や、特定の疾患(例: シェーグレン症候群)によって分泌量が著しく減少した場合の値と混同することがあります。
- 2. 唾液の分泌速度が速くなると、重炭酸イオンの分泌が増加するため、pHは上昇します(アルカリ性に傾きます)。正しくは:唾液の分泌速度が速くなると、そのpHは高くなる。選びやすい理由:分泌液のpH変化に関する一般的な知識が曖昧な場合や、胃液などの酸性分泌液のイメージに引っ張られると、この選択肢を選びやすくなります。混同注意:胃液などの他の消化液のpH変化や、一般的に「酸性化」と関連付けられがちな生体反応と混同する可能性があります。
- 3. 加齢に伴い、唾液腺の機能が低下したり、服用する薬剤の影響などにより、唾液分泌量は減少する傾向にあります。増加することはありません。正しくは:年齢を重ねると唾液の分泌量は減少する傾向にある、または大きく変化しないことが多い。選びやすい理由:加齢による生理機能の変化は一様ではないため、増加すると誤解する可能性があります。しかし、多くの高齢者では口腔乾燥症(ドライマウス)が問題となります。混同注意:加齢による他の生理機能(例: 組織の増殖など)の変化と混同したり、加齢が唾液分泌に与える影響に関する詳細な知識が不足していると間違えやすいです。
- 4. 唾液分泌中枢は脳幹の延髄に存在し、交感神経と副交感神経によってその分泌が調節されています。中脳ではありません。正しくは:唾液の分泌を制御する中枢は延髄に位置する。選びやすい理由:脳の各部位の機能に関する知識が曖昧な場合、脳幹の一部である中脳を分泌中枢と誤って判断してしまう可能性があります。混同注意:呼吸中枢や嚥下中枢など、脳幹の他の部位に存在する生理機能の制御中枢と混同する可能性があります。
- 5. 正解。唾液中にはアミラーゼ(別名: プチアリン)という消化酵素が含まれており、この酵素がデンプンなどの多糖類をマルトース(二糖類)に分解します。これは消化過程の初期段階です。
国試ポイント
唾液の生理機能に関する基本的な知識が総合的に問われています。具体的には、1日の分泌量、分泌速度とpHの関係、加齢による分泌量の変化、唾液分泌中枢の位置、および主要な消化酵素とその働きについて、各選択肢で異なる側面が問われているため、唾液に関する包括的な理解が求められます。
混同注意
唾液の成分(酵素の種類、電解質、抗菌物質など)、他の消化液(胃液、膵液など)の機能や分泌調節、脳の各部位の機能といった広範な生理学の知識と混同しやすいです。特に、分泌量やpHの変化、中枢の場所といった数値や位置情報は記憶が曖昧だと間違いやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題される場合、唾液腺の種類ごとの分泌量や特徴、具体的な神経(顔面神経、舌咽神経など)による分泌調節のメカニズム、唾液の緩衝作用や抗菌作用の詳細なメカニズムについて問われる可能性があります。また、口腔乾燥症の原因や理学療法との関連性についても注意が必要です。
関連知識
唾液腺の種類とそれぞれの機能(耳下腺、顎下腺、舌下腺) 唾液の主成分と機能(水分、電解質、酵素(アミラーゼ、リゾチーム)、ムチン、イムノグロブリンなど) 唾液の主な機能(消化作用、嚥下補助、発音補助、口腔内潤滑・洗浄、抗菌作用、緩衝作用、味覚、歯の再石灰化など) 唾液分泌の神経性調節(副交感神経、交感神経) 口腔乾燥症(ドライマウス)の原因と影響