近位尿細管に分泌されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
近位尿細管では、体内の酸塩基平衡を維持するために水素イオン(H+)が尿細管腔へ積極的に分泌されます。この分泌は、重炭酸イオンの再吸収やアンモニアとの結合によるアンモニウムイオンの排泄と密接に関連しており、体液のpH調節に重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。近位尿細管では、体内の酸塩基平衡を維持するために水素イオン(H+)が尿細管腔へ活発に分泌されます。これにより、重炭酸イオンの再吸収やアンモニアとの結合によるアンモニウムイオンの排泄が促進されます。
- 2. カリウムイオン(K+)の主な分泌部位は遠位尿細管や集合管であり、アルドステロンによってその量が調節されます。近位尿細管では主に再吸収されます。正しくは:近位尿細管では主に再吸収される。分泌は遠位尿細管・集合管で行われる。選びやすい理由:腎臓は電解質の恒常性維持に重要な役割を担うため、カリウムも分泌されると誤解しやすいですが、近位尿細管での分泌は主ではありません。混同注意:カリウムの分泌が主に遠位尿細管や集合管で行われることと混同しやすいです。
- 3. ナトリウムイオン(Na+)は、近位尿細管において最も多く再吸収される主要な電解質です。分泌ではなく、再吸収がその主な機能であり、体液量や血圧の調節に深く関わります。正しくは:近位尿細管では積極的に再吸収される。選びやすい理由:ナトリウムは体内で最も豊富な電解質であり、その調整が腎臓の重要な機能であるため、分泌もあると誤解するかもしれません。混同注意:ナトリウムは尿細管における水分の再吸収と密接に関連しているため、分泌ではなく再吸収が主であることを見落としやすいです。
- 4. カルシウムイオン(Ca2+)は、近位尿細管では主に再吸収されます。分泌は行われません。その再吸収はパラトルモンなどによって調節されます。正しくは:近位尿細管では主に再吸収される。選びやすい理由:カルシウムも重要なミネラルであり、腎臓で代謝が調節されるため、分泌も起こると考えるかもしれません。混同注意:腎臓におけるカルシウム代謝全体(再吸収と骨からの放出など)と、近位尿細管での特定の挙動(分泌はしない)を混同しやすいです。
- 5. 重炭酸イオン(HCO3-)は、体内の酸塩基平衡の維持に不可欠であり、近位尿細管で活発に再吸収されます。分泌されるのではなく、水素イオンの分泌と連動して再吸収されるのが主な機能です。正しくは:近位尿細管では積極的に再吸収される。選びやすい理由:酸塩基平衡に関わるイオンであるため、排泄のために分泌されると誤解するかもしれません。混同注意:重炭酸イオンが腎臓で主に再吸収されることと、酸排泄にはH+の分泌が関わることを混同しやすいです。
国試ポイント
腎臓の尿細管における物質輸送(特に再吸収と分泌)の基礎知識、中でも近位尿細管の機能と酸塩基平衡に関わるイオンの挙動が問われています。各尿細管部位での主要な物質の動きを正確に理解しているかが試されます。
混同注意
各イオンがどの尿細管部位で主に再吸収されるか、あるいは分泌されるかの混同が起こりやすいです。特に、水素イオン(H+)と重炭酸イオン(HCO3-)が酸塩基平衡に関わるものの、近位尿細管での挙動(H+分泌、HCO3-再吸収)が逆である点や、カリウムイオン(K+)の主な分泌が遠位尿細管・集合管である点が混同のポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず問題が『分泌』か『再吸収』か、そして『どの尿細管部位』での挙動を問うているかを正確に読み取ることが重要です。各イオンの主要な輸送経路と、それが体液調節(電解質バランス、酸塩基平衡)にどのように寄与するかを正確に理解しておく必要があります。
関連知識
近位尿細管での再吸収:水、ナトリウムイオン、グルコース、アミノ酸、重炭酸イオン、塩素イオン、カリウムイオンなど。近位尿細管での分泌:水素イオン、有機酸、有機塩基、一部の薬物など。また、遠位尿細管や集合管でのカリウムイオン、水素イオンの分泌機構も関連知識として重要です。