健常児。図のように四つ這いから座位に戻れるようになった。この児に観察される姿勢反射はどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
図のような四つ這いから座位への移行は、概ね生後7~9ヶ月頃に見られる運動発達段階です。この時期の乳児には、原始反射の一部がまだ残存していることと、座位の安定性に関わる保護伸展反応が出現していることが特徴です。足底把握反射は原始反射であり、通常生後9~12ヶ月頃まで持続するため、この時期に観察されます。側方パラシュート反応は保護伸展反応の一つで、座位の安定性と転倒防止に重要であり、生後7~8ヶ月頃に出現するため、この時期に観察されます。自動歩行と非対称性緊張性頸反射は生後早期に消失する原始反射であり、この時期には通常観察されません。背屈反応は体重支持に関連しますが、この発達段階で特に問われる姿勢反射としては適切ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 自動歩行は原始反射の一つで、生後2ヶ月頃までに消失します。座位への移行が可能になる時期(生後7〜9ヶ月頃)には通常観察されません。正しくは:この時期にはすでに消失している。選びやすい理由:新生児期に見られる反射なので、乳児期の成長と混同しやすい。混同注意:自動歩行と、より成熟した随意的な歩行パターンとの混同。
- 2. 背屈反応(陽性支持反応の一部として観察される)は、通常、生後3〜4ヶ月頃に出現し、下肢で体重を支持しようとする反応です。座位移行期に見られなくはないですが、より発達的な姿勢反射としては不適切です。正しくは:背屈反応は体重支持に関連するが、座位移行期に特に主要な姿勢反射とは言えない。選びやすい理由:下肢の関与があるため、運動発達と結びつけやすい。混同注意:陽性支持反応や立ち直り反応との混同。
- 3. 正解。足底把握反射は原始反射の一つですが、通常生後9〜12ヶ月頃まで持続します。四つ這いから座位への移行が可能な時期(生後7〜9ヶ月頃)にはまだ観察されるのが一般的です。混同注意:手の把握反射との混同、または原始反射がもっと早期に消失するという誤解。
- 4. 正解。側方パラシュート反応は、転倒を防ぐための保護伸展反応の一つで、座位の安定性を示す重要な指標です。通常、生後7〜8ヶ月頃に出現し、座位の獲得および維持に必要な反射として、この時期に観察されます。混同注意:前方や後方パラシュート反応との出現時期の混同。
- 5. 非対称性緊張性頸反射(ATNR)は原始反射の一つで、生後4〜5ヶ月頃までに消失します。座位への移行が可能な時期には通常見られません。正しくは:この時期にはすでに消失している。選びやすい理由:原始反射なので、何かしらの反射は残っていると誤解しやすい。混同注意:対称性緊張性頸反射(STNR)など他の緊張性頸反射との出現・消失時期の混同。
国試ポイント
乳児の運動発達段階と、それに伴う原始反射の消失時期および姿勢反射(特に保護伸展反応)の出現時期の知識が問われています。発達段階と反射の関係性を正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
原始反射と姿勢反射の分類、およびそれぞれの出現・消失時期が混同しやすいポイントです。特に、原始反射が全て早期に消失するという誤解や、姿勢反射の具体的な種類と役割が曖昧だと間違えやすいです。保護伸展反応の種類(前方、側方、後方)とその出現順序もよく問われます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、特定の運動発達段階(例:寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、独歩など)と、その時期に観察される/消失する反射の組み合わせを問う問題が予想されます。また、異常な反射の持続や欠如が発達遅滞とどう関連するかを問う臨床応用問題も考えられます。
関連知識
原始反射(モロー反射、非対称性緊張性頸反射、自動歩行、足底把握反射など)の出現と消失時期。姿勢反射(立ち直り反応、平衡反応、保護伸展反応など)の出現時期と発達上の意義。各反射が正常な運動発達にどのように関与するか。