成人期に発症するポリオ後症候群のHalsteadらの診断基準にないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Halsteadらのポリオ後症候群の診断基準では、新たな筋力低下、易疲労性、筋肉痛、関節痛、筋萎縮、嚥下障害などが主要な症状として挙げられています。ポリオは運動神経を侵す疾患であるため、感覚障害は典型的な症状として診断基準には含まれません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Halsteadらのポリオ後症候群の診断基準には、新たな筋力低下、疲労、筋肉痛、関節痛、筋萎縮、嚥下障害などが含まれますが、感覚異常(感覚障害)は含まれていません。ポリオウイルスは主に運動神経を障害するため、感覚障害は典型的ではありません。正しくは:Halsteadらの診断基準には感覚障害は含まれない。選びやすい理由:様々な神経疾患で感覚障害が見られるため、ポリオ後症候群でも見られると誤解しやすい。混同注意:他の神経変性疾患や神経障害(例:多発性神経炎、ギラン・バレー症候群など)の症状と混同しやすい。
- 2. 関節痛はHalsteadらのポリオ後症候群の診断基準に含まれる項目です。新たな筋力低下、疲労、筋肉痛、関節痛、筋萎縮、嚥下障害などが挙げられます。正しくは:この選択肢は診断基準に含まれるため、問題文の『診断基準にないのはどれか』に対しては誤りです。選びやすい理由:関節痛が直接的なウイルス作用によるものか判断に迷うことがあるため。混同注意:神経系の疾患であるため、運動器系の症状が見られることを疑問視しやすい。
- 3. 筋萎縮(および新たな筋力低下)はHalsteadらのポリオ後症候群の診断基準に含まれる項目です。ポリオウイルスにより運動神経が変性し、残存する運動単位に過負荷がかかることで生じます。正しくは:この選択肢は診断基準に含まれるため、問題文の『診断基準にないのはどれか』に対しては誤りです。選びやすい理由:ポリオ後症候群の核となる症状であり、含まれることは明らかであるため、他の選択肢との比較で誤答と判断しにくい。混同注意:元の急性ポリオと症状が類似しているため、診断基準の一部として当然視しやすい。
- 4. 筋肉痛はHalsteadらのポリオ後症候群の診断基準に含まれる項目です。疲労と同様に、過負荷による運動単位の機能不全と関連しています。正しくは:この選択肢は診断基準に含まれるため、問題文の『診断基準にないのはどれか』に対しては誤りです。選びやすい理由:非特異的な症状であるため、基準に含まれるかどうかの判断に迷う可能性がある。混同注意:疲労と筋肉痛がセットで語られることが多いため、どちらか一方だけが診断基準に含まれると誤解しやすい。
- 5. 疲労(易疲労性)はHalsteadらのポリオ後症候群の主要な診断基準の一つです。運動単位の減少と残存する運動単位への過剰な負担が原因とされています。正しくは:この選択肢は診断基準に含まれるため、問題文の『診断基準にないのはどれか』に対しては誤りです。選びやすい理由:疲労感は多くの疾患で見られる症状であるため、特異性がないように感じることがある。混同注意:慢性疲労症候群など、他の疲労を主訴とする疾患と混同しやすい。
国試ポイント
ポリオ後症候群の主要な症状とその診断基準(特にHalsteadらの基準)について、正確な知識があるかを問う問題です。中枢神経系疾患における運動神経と感覚神経の障害の違いを理解しているか、また非典型的な症状を除外できるかがポイントとなります。
混同注意
ポリオ後症候群の症状と、他の神経筋疾患(例:筋萎縮性側索硬化症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎など)や一般的な加齢による症状と混同しやすい。特に、疲労や関節痛といった非特異的な症状が診断基準に含まれるかどうかの判断は誤りやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題される場合、Halsteadらの基準に含まれる具体的な症状を複数選択させる問題や、他の神経筋疾患の診断基準と比較させる問題、あるいはポリオ後症候群の病態生理と関連付けた症状の説明を選ぶ問題などが考えられます。特に、『感覚障害は含まれない』という点を覚えておくことが重要です。
関連知識
ポリオウイルスは脊髄の灰白質にある運動ニューロン(前角細胞)を障害します。そのため、感覚神経系の障害は通常見られません。ポリオ後症候群は、既存の運動単位の疲弊や神経筋接合部の機能不全などにより、以前安定していた症状が悪化する病態です。Halsteadらの診断基準は、新しい筋力低下、易疲労性、筋肉痛、関節痛、筋萎縮、咽頭・嚥下困難などを特徴としています。