糖尿病患者において低血糖発作時にみられる症状はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
低血糖時には、生体が血糖値を上げようとしてカテコールアミンの分泌を促進します。これにより交感神経が刺激され、冷や汗、動悸、ふるえ、不安感などの症状が出現します。発汗はその代表的な症状の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 低血糖時に嘔吐が主症状として現れることは稀です。消化器症状としては、吐き気を感じることはあっても、実際に嘔吐に至ることは一般的ではありません。正しくは:低血糖の主要な症状は神経症状や交感神経刺激症状です。選びやすい理由:気分不快と関連付けて選択してしまうかもしれません。混同注意:他の急性疾患や食中毒などの症状と混同しやすいです。
- 2. 低血糖発作自体が直接的な原因となって胸痛を引き起こすことはありません。重度の低血糖で不整脈が誘発される可能性はありますが、胸痛は典型的な症状ではありません。正しくは:胸痛は心疾患、特に狭心症や心筋梗塞でみられる症状です。選びやすい理由:不安感や動悸が胸部不快感につながると誤解するかもしれません。混同注意:心臓に関連する症状と混同しやすいです。
- 3. 口渇は高血糖の際にみられる多飲・多尿に伴う症状であり、低血糖時には通常出現しません。むしろ、低血糖時には自律神経の反応として発汗が増加します。正しくは:口渇は高血糖の典型的な症状です。選びやすい理由:糖尿病の症状として口渇を覚えており、低血糖・高血糖の区別が曖昧な場合に選びやすいです。混同注意:高血糖時の症状と混同しやすいです。
- 4. 正解。低血糖時には、血糖値を上昇させようとする生体反応として交感神経が活性化します。この交感神経の刺激により、冷や汗などの発汗が顕著にみられるのは典型的な症状です。
- 5. 腹痛は低血糖発作の直接的な症状としては稀です。消化器系の症状としては悪心などが挙げられますが、腹痛が主訴になることは一般的ではありません。正しくは:低血糖では腹痛は一般的ではありません。選びやすい理由:体調不良全般の症状と混同するかもしれません。混同注意:消化器系の他の疾患や胃腸炎などと混同しやすいです。
国試ポイント
糖尿病の低血糖発作に関する知識は、国家試験で非常に頻繁に出題されます。特に、高血糖時の症状(口渇、多飲、多尿)と低血糖時の症状(発汗、動悸、ふるえ、意識障害など)を正確に区別できるかが問われます。自律神経症状と中枢神経症状の両方を理解しておくことが重要です。
混同注意
高血糖時の症状(口渇、多尿、体重減少、倦怠感など)と混同しやすい。特に「口渇」は糖尿病の症状として有名であるため、低血糖時の症状と誤って選択してしまう傾向があります。また、脳血管障害などによる意識障害や、他の急性疾患の症状との鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、次は低血糖時の具体的な行動や、高血糖時の対処法、または糖尿病性昏睡の種類と症状の鑑別が問われる可能性があります。
関連知識
低血糖の定義:血糖値が70mg/dL以下。低血糖の初期症状(警告症状):発汗、動悸、ふるえ、空腹感、不安感、脱力感。低血糖の中枢神経症状(神経糖不足症状):頭痛、集中力低下、生あくび、視力障害、異常行動、意識障害、けいれん。重症低血糖:意識障害などで他者の介助を要する状態。対処法:ブドウ糖の摂取(10g程度)、糖質を含む食品(ジュース、飴など)。